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持続可能な開発のための委員会(NCSD)と経済財政省(MEF)は、「今のペースでの気候上昇が続く場合、2050年までにGDPが約10%減り、経済にも影響を与える」と発表した。実際、カンボジアの2015年のGDPは、気候変動がない場合よりも4.6%も低い。クメールタイムズ紙が報じた。
国連開発計画(UNDP)の支援を受けて2機関がまとめた報告書によると、気温が高いと労働生産性が低下し、2016年~2050年にかけて毎年GDP成長率が平均0.3%低下、中高所得国への加盟が1年遅れるという。
この調査によると、カンボジアの経済的損失は、他の東南アジア諸国よりも大幅に高いとされ、気温の上昇が大きな脅威となるとみられている。
UNDPのダイレクター、ニック・ベレスフォード氏は、「現在カンボジアではエアコンが希少で、労働者の熱ストレスの重要性を過小評価している。新技術と労働規制による解決のため、さらなる研究が必要だ」と述べた。
また、昨年のアジア開発銀行(ADB)の調査によると、東南アジアは熱帯地域で最も影響を受けやすく、全く新しい気候レジームに入る可能性が指摘されている。また、東南アジアは、低地に人口が集中しており、特に洪水の影響を受けやすいことから、過去数十年間で、記録的な雨が大幅に増加していることを踏まえると、地球温暖化により深刻な洪水を引き起こす可能性があるとされている。
カンボジア、バングラデシュ、ベトナムは特に洪水の影響を受けやすく、農林水産省によると、2016年にはカンボジアの16の州、23万5000ヘクタールのコメ農園が干ばつの影響を受けたという。