(c)Phnom Penh Post
世界銀行は、カンボジア経済は今年6.9%の成長が見込まれるが、国内や世界リスクが予測に影響を与える可能性があると発表した。シンガポールを除くASEAN9カ国の今年の予想成長率は5.4%だという。プノンペンポスト紙が報じた。
世界銀行の東アジア太平洋担当チーフエコノミストは、「この見通しは、選挙が計画どおりに行われ、経済が不安定にならなかった場合を想定している。米国-中国間の緊張関係により、中国から米国輸出の際の関税が増加した場合、東南アジア全体の経済成長に大きな影響を与える可能性がある。2018年は、2010年以来の世界的な成長を見据えているが、世界経済の見通しは不確実性をもたらす」と指摘した。
報告書によると、昨年の経済成長の理由について、観光客の増加や好天による農業生産の増加を挙げたが、縫製業においては、前年の8.4%から7.7%に低下したという。一方、インフレと信用貸の伸びが鈍化するなか、建設・不動産部門に対する信用貸は急速に拡大した。
また、見通しの下振れリスクには、建設ブームの脅威と賃金の急上昇による競争力の低下が挙げられ、賃金上昇につれ、同地域で競争力を維持するための改革を行わなければならないと指摘している。
世界銀行のカンボジアのシニア・エコノミストによると、「リスクはあるが、カンボジアは2018年も経済成長を続けるだろう。しかし、急速に拡大するマイクロファイナンス分野のリスクに対処するため、政府は規制強化と貸付に関するガイドライン策定に焦点を当てるべきだ」と述べた。