日系企業メタウォーター株式会社は、プノンペンの浄水場に省エネインバータ技術を提供することを日経アジア・レビューレポートに掲載した。クメールタイムズ紙が報じた。
カンボジアの水需要は雨季と乾季で大きく異なるが、施設はその変化に合わせてポンピング率を調整していないため、非効率性が問題となっている。そこで、ポンプモータの回転を調整し、需要の変動に合わせて給水流量を制御するインバータの導入により、20~30%の電力消費を節約するという。プノンペン水道公社の処理場に設置される予定。
メタウォーター株式会社は、このシステムにより、化石燃料による発電所の年間炭素排出量を400トン削減することとしている。
同社は来年7月までに日本でシステムを構築し、導入を完了する予定。また日本政府が、炭素削減排出枠を獲得する代わりに、初期費用の半分を補助金として負担するという。カンボジアは温室効果ガス排出削減に向けた国際的な取組みの中で、グリーン技術を獲得し、一方日本は日系企業の活動を通じて排出枠を得ることができる。
メタウォーター株式会社は、2015年の2650万ドルから2020年には1億3300万ドルの売上を目指し、海外事業を加速する。現在は、ヨーロッパやアメリカなどの先進市場に集中しているが、東南アジアの新興国市場の強化する予定だ。
なお、このプロジェクトは、国内の浄水場において初の取組みであり、同社が関与する最初の導入となるが、プノンペン水道公社のシム・シタ局長は、まだ聞いていないと述べた。