カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

  • 経済
  • 2017年4月13日
  • カンボジアニュース

EUによるコメの農薬制限 カンボジア国内に不安募る[経済]

news_201704124
(c)Khmer Times

 アジア開発銀行のシニアエコノミストが、欧州委員会(EU)から要求されている農薬トリシクラゾールの使用禁止は、カンボジアの農業分野にダメージを与えるとし警戒した。クメールタイムズ紙が報じた。

 EUは最近、6月までに穀物1キログラムにつき、0.01ミリグラム以上の使用を中止するか、そうでなければEUへの輸出禁止を行うと、カンボジアのコメ産業に対し発言した。

 アジア開発銀行の年間経済報告によると、多くの農家が特にEUへの輸出に依存しており、農産物輸出が国内総生産の約30%に相当するため、EUによる輸出制限は農家と国家の経済を傷つけるものだと関係者は指摘する。

 気候と市場が好調であった場合、農業分野は今年1.8%まで上昇すると見られている。昨年、カンボジアは約54万2144メトリックトンのコメを輸出し、そのうち63%がEUの25ヶ国に輸出されたと農林水産省は説明。



 カンボジアコメ協会の副会長は、「農家たちに農薬の制限に関する教育を行い、代替案を見つけ出すのには時間がかかる」と説明し、「期日が早すぎる」と指摘する。

 しかし、農家らは依然として昨年に収穫された農薬使用済みのコメを輸出しており、新政策が適用される6月には問題が生じると同氏は指摘する。

 同氏によると、カンボジア政府は代用となる他の農薬を準備しており、正確な使用方法を教育していくとしているという。

 ヴェイン・サコン農林水産大臣は、コメ輸出の危機を避ける準備をしなければならないと発言。トリシクラゾールの輸入を完全禁止し、未使用の在庫を集め、農家の間で意識を高めるとした。

経済の最新ニュースランキング
最新ニュース