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カンボジアの米国への輸出総額は、ベトナムやミャンマーからの輸出増加の影響で2015年に比べて減少した。クメールタイムズ紙が報じている。
米通商代表部の統計によると、カンボジアから米国への総輸出額は2015年の30億ドルから、2016年は28億ドルと約7%の減少となった。
商業省の広報官は、クメール・タイムズ紙の取材に対し、輸出が減少した理由を米国大統領選挙にともなう先行き不安による米国の消費需要の落ち込みが影響したものと述べた。
一方、カンボジア縫製業協会(GMAC)副代表は、カンボジアの衣料品輸出におけるベトナムや新興市場のミャンマーとの競争の激化が輸出減の原因と語っている。
また、国が基本政策を強く打ち出しているミャンマーでは、アパレル産業全体で2016年10億ドル以上の衣料品を輸出を達成、2015年から145%の大幅な輸出増加となっており、カンボジアの衣料品輸出を脅かすダークホース的な存在となりつつある。
米国のドナルド・トランプ大統領の執行命令で米国はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)から離脱することになり、関税の撤廃がなくなったことから、当面はカンボジアの衣料繊維産業が即座に競争力を失う恐れが少なくなったものの、今後はベトナム・ミャンマーとの競争激化が予想されている。