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米国のドナルド・トランプ大統領が環太平洋経済連携協定(TPP)からの撤退を表明したことを受け、カンボジアが縫製業界での競争力を失う心配が和らいだ、とアナリストたちが話している。クメールタイムズ紙が報じた。
調査会社メコン・ストラテジック・パートナーズの共同パートナー、デビッド・マーシャル氏は、「TPPによる縫製業の関税撤廃で、衣料品輸出でベトナムが有利になることを懸念していた。カンボジアの縫製品輸出国について、米国が第2位であり、TPPによる国内縫製業への脅威は軽減される」と話す。
同氏は、「賃金の高さから、衣料品製造が米国に戻ってくる可能性は低い」と述べ、「現在EUが衣服やコメなどの主要輸出先の一つであり、輸出市場を多様化することで、減速を緩和している。カンボジアは、今後数年間で7%台半ばの成長を遂げる見通しだ」と付け加えた。
バワ・グループ・アジアのカンボジアマネージング・ディレクター、デビッド・ヴァン氏は、「TPPによりカンボジアへの外国直接投資がベトナムに流れることを心配していたが、二国間協定の支持するトランプ大統領の就任により、米国と交渉する機会を得た」と指摘した。
ロサンゼルス・オクシデンタル大学准教授のソーパール・イヤー氏は、「アメリカのTPP脱退はカンボジアの国益に大きな影響は与えない」と述べ、「TPPは職場の安全衛生規則、知的財産権、環境保護をもたらすことはあまり知られてない。一方、現在カンボジアでは、知的財産権などは保護されて無いので、もしもTPPに参加していれば、労働環境と基準が向上し、国や労働者にとってより良いものになっただろう」と話した。