カンボジア政府は19日、2017年度の国家予算額を15.7%増加の50億ドル以上とすることを検討していると発表した。クメールタイムズ紙によれば、これは2016年度歳出額の43億ドルを上回る額だ。
閣僚評議会の広報担当者は、教育・社会保障・経済発展分野における歳出増加を認めた一方で、具体的な額については閣議後に公表されるとした。また、「歳入増額は関税などを含む徴税額の増加によるものと考えられる」と語った。
政府は今年1月からの9か月間で、前年同期比20%以上増加の12億ドルを徴税した。また、関税消費税総局は16%増の13億ドルを徴税した。
2016年度の国家予算では経済発展分野での歳出が最も多く、前年比20%増の13億ドルだった。また、国家防衛・安全保障・治安維持における歳出が前年比16.51%増の7億1100万ドルだった。
NGO団体トランスペアレンシーインターナショナル・カンボジアの代表は、「今回注力される3分野での歳出増加は歓迎するが、予算がどの省庁でどのように使われているかよく管理すべきだ。予算は毎年増額しているが、保健省の取り組みなどにはあまり進展がなく、予算の使途に透明性が求められる」と話した。
政府監査団体のCRRTのウェブサイトによると、カンボジアには国家予算を国民に公表するチャネルがなく、予算詳細を知る唯一の手段である国家監査報告書の公表にも数年かかっており、2011年が最新だ。