カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

業界別インタビュー

2017年1月25日

人材業界において、チャネルは多ければ多いほどいい[人材] 温 小勇 (2/2)

人材・コンサル

カムHR CAM HR
マネージングダイレクター Managing Director: 温 小勇 Sunny Wen
2009年設立のカンボジア最大手オンラインHRサービス、カムHR。ページビュー数は毎月300万を誇り、参入が相次ぐこの業界で不動の地位を確立している。マネージングダイレクターの温小勇氏に、目まぐるしく変わるカンボジアで、人材サービスのトレンドと将来の展望を伺った。(取材日/2016年8月)
今後も中国企業は増えていく

前回の続き
――お客様は中国企業に焦点を当てているのでしょうか

温小勇(以下、温) 焦点を当てているというわけではありません。我々のお客様の80%は地元企業ですから。もちろん外国資本が入った地元企業も含んでいますが、それ以外の20%はインターナショナル企業です。中国系のお客様に関しては、もちろん多いし力も入れていますよ。なぜならば、中国企業も数が多いですし、今後も益々増えると思います。


――日本企業のお客様の数はいかがでしょうか

 数は少ないと思います。なぜならば、日系企業は求人票を使用しているところが多く、雑誌やWebサイトに求人票を掲載するだけで、履歴書の数は集まりますから。

 あとは、リクルートメントサービスを利用しても、日系企業はCDLなど、同じ日系のサービス会社を使う傾向にあります。弊社への問合わせは、1か月に1社か2か月に1社程度ですね。それに加えて、もちろんカンボジアには日系企業の数がまだまだ少ないというのも理由ですね。

1に尊敬、2に幸せに働ける環境を作ること

――日本人がカンボジア人を雇う際、気を付ければいいと思われる点を教えて下さい

 まずは、カンボジアの国と人を尊敬することですね。他国とも同じように、カンボジアにはカンボジアの文化や歴史的背景があり、人々の性格もそこに基づいています。ですので、文化を理解し、どんな投資家も、まずカンボジア人を尊敬することが大事だと思いますね。

 そして次に、長い目で見ることですね。第2に、カンボジア人は、気質が明るく人生を楽しみたい人が多いです。家族や友人との予定を優先することもありますが、幸せだと感じる環境に身を置くと頑張ります。しかし一方で、強いプレッシャーを与えられるとパフォーマンスが落ちてしまう。日本人は多少のプレッシャーがあった方が頑張る人も多いですよね。カンボジア人は逆なんです。これも文化の違いですよね。明るく楽しく仕事を出来る環境を作り上げる事がより良いと思います。

カンボジアでは雑誌や新聞での求人募集も効果的

――インターネットと人材業界にはシナジーがあると思いますか

 インターネットだけが人材業界に効果的だとは考えていませんよ。我々は、チャネルが多ければ多いほどいいと考えていますから。現在でも、ある投資家はWebサイトで弊社を知りますが、別の企業はスマートフォンから来ている場合もあります。

 もちろんインターネットはチャネルの1つですが、それだけに絞ろうとは思いません。インターネットはコストも安いですし、フェイスブックなどソーシャルメディアも益々拡大するでしょう。しかし、インターネットを使えないカンボジア人もまだいますし、雑誌や新聞での求人募集も効果的なカンボジアです。我々は沢山のチャネルでの展開を続けていくつもりですね。


――最後に読者の方々へメッセージをお願いします

 カンボジアは現在、どんな国やどんな企業からの投資も歓迎しており、これからもぜひ、沢山の投資家や企業の方々に来て頂きたいと思っています。

 企業としては、我々はただ、人材サービスを提供している会社ではなく、お客様の問題を解決する会社です。これからはより積極的に、日本企業とのパートナーシップを結びたいですね。弊社への投資もいつでも受け付けていますよ(笑)。ありがとうございました。(取材日/2016年8月)


カムHR CAM HR
事業内容:人材サイト
URL: camhr.com

その他の「人材・コンサル」の業界インタビュー