2016年9月22日
(前回の続き)
―――不動産投資の注意点を教えてくださいますか
チレク・ソクニム(以下、チレク) 顧客が不動産を買うときには、私達は顧客の投資目的を精査し、どこに不動産を持ちたいのかを分析します。そして、不動産の名義が誰のものかを調査します。最後はROI(リターンオンインベストメント)、投資対してどれだけ利益が出るかどうかということです。
私が思うに、投資家が不動産のプロと一緒に不動産を購入しない場合、2つの点でリスクがあります。1つは、正しいロケーションをはっきりとわかっていないこと、他の不動産と比較した正確な情報を持っていないことです。もう1つは、不動産業者しか知らない隠された不動産を見つけることが難しくなることです。隠された不動産とは、公に売却や賃貸の公表がされていない不動産のことです。我々は多くのコネクションを持っており、その広いネットワークを活かし投資をしたいと思う顧客により良い不動産を紹介しています。カンボジアに投資をしたい日本人は私たちに相談してください。私達が把握する他国のものも含めた情報を提供します。
―――チラクさんはカンボジア不動産協会(CVEA)の副会長もされておられますが、CVEAについて教えてくださいますか
チレク CVEAとは、カンボジア不動産協会のことで、カンボジアの不動産会社が繋がることができるプラットフォームを形成する団体です。また、CVEAは政府が出すプラカス、省令の素案を提供することができます。これが一番の利益です。この団体は非営利団体で、資本は持ちません。
例えば、5月にASEAN評価人協会(ASEAN Valuers Association Congress=AVA)の国際会議を開催し、各国の不動産会社が参加しますが、今年の開催地はカンボジアで、CVEAがホストを努めます。
―――国際会議を開催する目的は何でしょうか
チレク 情報の共有です。例えばお互いから学びたいと思ったとき、このネットワークを通じて国ごとの不動産事情を知ることができます。鑑定の精度を上げたり、困難が生じたときにどうやって対応するのかシンガポールや日本など豊富な経験を持つ国から情報を共有したりできます。今年はカンボジアにとってAVAコングレスの開催国を務めるのによい時期だと思っています。
―――CVEAは不動産のプロを育成するためにトレーニングや教育をなさっていると伺いましたがその点についてお話しいただけますか
チレク CVEAが行っているのはコーディネートで、例えば海外からの専門家がトレーニングを行う場合にCVEAは参加者を募るなどのお手伝いをします。カンボジアには現在不動産のことを学べる大学はなく、また実力や資金の面から、学生たちは他国で学ぶことをためらってしまいます。ですので、不動産の鑑定や管理を正しく行えるようするトレーニングはカンボジアの不動産業界にとって利益になると思います。
―――不動産協会にはどれくらいの会社が加盟しているのですか
チレク 現在60社くらいです。協会には会長がひとり、副会長が3人、セクレタリージェネラルやサポートスタッフがその下にいます。2、3人のフルタイムのスタッフを除けばすべてボランティアです。
―――それでは最後にカンボジア不動産業界の将来の展望を教えてください
チレク カンボジアの不動産価格は上昇しており、良い投資対象だと思います。今日100万ドルで買ったものが10年後には200万ドルになるといった感じでしょうか。
センチュリー21メコンの使命は、不動産売買の専門家として、私たちの持つネットワークを駆使してカンボジアに投資に来るバイヤーにアドバイスをすることです。
将来、カンボジアは依然として安定的な成長を続けていると思いますし、GDPと共に生活水準も年々向上していくと思います。そのとき、人々の考え方も変わり、さらに多くの人がコンドミニアムに住むようになるでしょうし、さらなる質、魅力、デザインを求めるでしょう。先進国ではすでに起こったことですが、発展途上国では、全ては始まったばかりなのです。
プノンペンでは、今後郊外4つのエリアが発展していくと思います。プノンペンでは今後、郊外4つのエリアが発展していくと思います。1つはトゥールコーク区北部からセンソック区のクラントノン地区、そして国道5号線までのエリア、北部郊外にあるリーヨンパット橋付近までのところは近い将来とても良いエリアになると思います。現在イオン2号店もこのエリアに建設が予定されています。
2つ目は、国道5号線と6号線の間のエリア。カンボジア日本友好橋から国道5号線と6号線を通ってリーヨンパット橋付近までのところです。OCICとリーヨンパットグループによって開発され、ヨンパットエリアと呼ばれます。
3つ目はフンセンルートと呼ばれるエリアです。4つ目は国道1号線南側のエリアです。地価はどんどん高くなっています。(取材日/2016年4月)