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2019年8月12日
カンボジア進出ガイド

【金融・保険】

285 カンボジアの金融・保険①(2019年6月発刊 ISSUE10より)

金融Finance

米ドルとカンボジア通貨リエル The US Dollar and the Cambodian Riel

 1990年代初め国連暫定当局の到着以降、カンボジア国内では米ドルとカンボジア通貨のリエルが流通しており、経済取引の約83%がドル決済である。また近年、為替市場のリエル相場は1ドル当たり4000~4100リエルと安定的に推移しているが、依然ドル化経済のカンボジアは、現在、中央銀行をはじめとする公的機関によるリエルの促進活動が著しい。

 カンボジア国立銀行(NBC)によると、リエルの流通量は2016年より11.4%上回っており、NBCはすべての商業銀行とマイクロファイナンス機関に、2019年末までに貸出ポートフォリオの少なくとも10%をリエルで保有するよう要求するなど、リエルの利用を促進するための規制をかけている。

 2014年から2017年までの間の、2264世帯と856社の企業で通貨の使用状況を調査したところ、リエルは主に農村地域の人々によって使用されていたが、カンボジアの企業では徐々に減少していることがわかった。金融機関では小口融資額が増加しているにもかかわらず、米ドル建ての融資を継続している。NBCのネウ・チャンタナ副総裁は、「世帯と企業は米ドルによる貸借を望んでいる」と述べ、それを示すように、金融機関は主に米ドルでローンを供与している。

商業銀行とマイクロファイナンス機関 Commercial bank and Microfinance institution

 NBCの年次報告書によると、2018年末における銀行の資産総額は347.7億ドルと対前年比20.9%増だった。銀行別にみると、アクレダ銀行は長らく業界首位だったが、カナディア銀行にその座を譲り、モバイルバンキングにいち早く力を入れたABA銀行も3位に躍進した。

 銀行数の増加に伴いサービス競争は利用者に良い影響をもたらしている。ジャパンデスクを開設し、日本人向けの手厚いサービスに定評のあるPPCBank(プノンペン商業銀行)のシン・チャン・モー氏は、「モバイルバンキングやインターネットバンキングなどのサービスの利便性向上を常に考えています。例えば、私たちの日本人のお客様は、日本に一時帰国されることも多いので、日本にいる場合でもモバイルバンキングのアプリケーションを介して銀行取引の処理を確認することができます」と語る。

 また、日本人に圧倒的に支持されている理由として、同氏は、「ジャパンデスクを3名に増員し、日本人向けサービスをさらに強化しました。お客様からのお問い合わせや日常的なお取り引きにも日本語ですぐにご案内できるジャパンデスクの存在は、当行がお客様へ手厚いサービスを提供するうえで欠かせないものとなっており、より日本人のお客様に寄り添った銀行となっています」と付け加えた。カンボジアに進出する企業が銀行を選ぶポイントは、その企業の事業内容や経営方針により異なるが、国際標準の金融基準を適用しているか、現地でのビジネスに精通しているか、十分な資金を持っているかなどを踏まえ、安心して気持よく利用できる金融機関を選ぶべきだろう。

 また、カンボジアマイクロファイナンス協会(CMA)の最新レポートによると、融資残高と預金残高は、今年第1四半期に約10%増加した。マイクロファイナンス機関(MFI)60機関と小口融資を実施している8つのNGOから数値を集計した結果、今年第1四半期の融資残高は60億ドルを超え、対前年同期比で9.3%増加した。

 総資産額で5番目に大きいマイクロファイナンス機関であるAMKマイクロファイナンスのケア・ボラン氏は、「私たちは、遠隔地の農村では低所得層の人々に合わせたサービスを提供しています。ほとんどの遠隔地の農村では金融商品を通した生活水準の向上に目を向けられていません。このような視点こそが、昨今のマイクロファイナンスの基礎を礎てきたと思います。積極的にアプリケーションの利用を進めています。農村部の人々には馴染みがないでが、遠隔地の農村の人々の生活水準を上げることに繋がります。現在はローンを組む際に、書類で書き留める必要はありません。オンラインでローンを組むことができます」と語る。


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