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2018年12月17日
カンボジア進出ガイド

【飲食・観光】

279 カンボジアの観光・飲食②(2018年11月発刊 ISSUE09より)

飲食業 The restaurants

 政府は、毎年同国を訪れる約500万人の観光客の質と衛生を確保する努力の一環として、国内2000軒以上のレストランに営業許可証を発行しており、シェムリアップとプノンペンでは特に高品質のレストラン需要が増えており、2018年以降もその傾向は続く見込みだ。

 カンボジアレストラン協会顧問のクオーチ・ソクリー氏は、「認可された飲食店の大半はプノンペンに位置し、他地域では高品質のレストランがない。この分野を開発する機会がまだまだたくさんある」と語る。

 急成長する飲食業界の動向について、日本食品の卸業として老舗のダイシン・トレーディングの小池聡氏は、「日本食が以前と比べてカンボジアで広まっていると明確に実感しています。特にこの1年では、イオンモール第2号店がオープンしたことの影響が非常に大きいと感じています。プノンペン店と同様に日本食文化の発信基地になっており、モール内に10軒前後の日本食取り扱い店が開店しました。イオンスーパーにおいてもブッフェ形式で安価に日本食を楽しめるなど、多くのカンボジア人が気軽に手に取れる大きなきっかけになっていると考えます」と語る。

 また、同氏は、「日本食のファンは非常に多く、提供の形が多様化して身近になって行く傾向はあるものの、未だ日本食は高級なものだという認識の方が大多数である現状です。日系店舗の更なる新規参入などにより中間所得層を含む皆様にとってより身近なものになって行く事を期待します。そのサポートが私共の役目だと考えています」と付け加えた。

 生鮮食品を得意とする日系卸業ロカフード&ビバレッジの塩入伸雄氏は、「日本とカンボジア間を結ぶ直行便は時間帯サービスともに非常に便利な一方、他国のように複数の航空会社が路線を提供し競合している訳ではないので、航空運賃がタイ間やシンガポール間に比べて割高です。また、輸入に際し現地側での負担も少なくないため、それらが価格を上げる主な要因となっています。当社では各飲食店様のご要望をできる限り取りまとめて「量」を確保し、物流コストを相対的に下げる努力を実施しています」と食材の仕入れのコスト高について言及した。

カンボジアのアウトバウンド Outbound in Cambodia

 観光省によると、国の収入の増加に伴う生活水準の向上と航空市場の急速な発展により、カンボジア出国旅行者の数は2018年上半期に増加し、96万人以上のカンボジア人が海外を旅行した。

 ほとんどの旅行者がビジネス、医療目的または休暇で他国に旅行している。カンボジア旅行代理店協会(CATA)のチャイ・シブリン会長は、「中国を始めとする他国とカンボジアを結ぶ多数の航空便があるにも関わらず、カンボジア国民の好きな旅行先は依然として東南アジアだ。タイとシンガポールは比較的近くにあり、ショッピング、医療、文化体験の機会が多いため、国民の行きたい旅行先のトップの座にある」と述べた。


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