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2017年1月4日
カンボジア進出ガイド

【金融・保険】

147 カンボジアの金融・保険③(2016年11月発刊 ISSUE05より)

金融 Finance

今後のマイクロファイナンス業界 The future of the Microfinance sector

 しかし、急速な発展にはリスクも伴う。国際信用格付機関ムーディーズは、「カンボジアの急速な信用貸しの伸びは、金融リスクをもたらす」と警告し、不良債権率の伸びや延滞債務、多重債務が懸念されている。NBCの報告書によると、2016年度の貸付残高は、対前年同期比34%増の約30億ドル、一方、全体の不良債権額は4300万ドルで、不良債権比率は対前年同期比1.3%に増加した。業界関係者は不良債権比率に懸念を表明し、業界全体が融資の質を強化し、より慎重な貸付が必要である。



 また、延滞債務については、1月からの割合が2倍に膨れ上がっており、返済期限から30日以上延滞しているポートフォリオリスク(PAR)の総額は2016年初めの0.5%より微増して1%となった。過当競争が原因で、複数の融資機関が同一人物に融資をしており、債務者の返済能力を超える金額になっており、延滞債務額の増加の背景には多重債務問題があると考えられる。

 しかし、成長しているマイクロファイナンス業界。その見通しはあくまでも明るい。今後の展望について、アムレット・マイクロファイナンスのチア氏は、「マイクロファイナンスは更に成長していくでしょう。国の成長に伴い、さらに多くの企業や投資家がカンボジアでのビジネス開始しフォローアップが必要とされます。しかし私の見通しでは、そういった成長は今後2年くらいです。その後は預金業務に注力したいと思っていますね。給与振込の口座開設など、他にも様々な業務拡大を目指しています」と語っており、上位マイクロファイナンス機関と商業銀行との違いが徐々に小さくなっていく。



 また、業務拡大の流れに伴い、他の金融機関との合併統合の流れも加速する。業界4位のハッタカクセカーは、2016年1月に三菱東京UFJ銀行の連結子会社、タイの大手銀行アユタヤ銀行の買収に応じており、この件についてハッタカクセカーのホウ・レン・トン氏は、「私たちが近い将来商業銀行になるための経験や知識を彼らから得たいと思っています。今ではない、近い将来の話です」と述べた。4月には日系のマルハンジャパン銀行とマイクロファイナンス業界2位のサタパナが統合し、サタパナ銀行として営業を開始した。この統合によりサタパナ銀行は、160拠点を有する商業銀行となった。マイクロファイナンスも他の金融機関に続き、合併統合の流れを受けていると言えるだろう。

保険 Insurance

損害保険と生命保険 General Insurance and life Insuarance

 カンボジアの保険業は著しく成長している。カンボジア保険協会(IAC)が発表した報告書によると、国内の保険業界は全部門で成長しており、2016年上半期における損害保険は16.2%増の3740万ドル、業界全体の保険料収入は37%増の5600万ドルだった。中でも生命保険は1850万ドル、113.2%の増加を見せ、急速に拡大する保険市場で最も急成長している分野である。しかしクメールタイムズ紙によれば、他のアセアン諸国と比較してカンボジアでの保険普及率は依然として低く、2015年の生命保険・一般保険料のGDP比は、マレーシアの7.6%、シンガポール5.8%に比べわずか0.45%相当だ。タイで20年以上保険代理店を営む企業をパートナーに持ち、ibsカンボジアの名前で保険理店業を行うインシュアランス・ブローカー・ソリューションのチア・サムナン氏は、「カンボジアの経済成長率は毎年約6~7%です。この数字は大体どの業界にもあてはまるのですが、保険業界は驚異的な毎年20%の成長を見せています。この成長はどこから来ているのか。多数の外国人がカンボジアに投資をしていますが、彼らはそこまで保険を買いません。なので、カンボジア人の購買による伸び率が大きいです」と話しており、カンボジア保険協会会長のフイ・バタロ氏も、「カンボジア経済の成長とともに、人々が保険加入の重要性を理解するようになってきた」と語っている。



 また、貧困層向けに保険料を低く設定したマイクロ保険にも注目が集まる。損害保険では、業界最大手のフォルテ保険株式会社とアクレダ銀行がマイクロ保険拡大に向けて覚書を締結し、また生命保険では、TYGiセーブ・デス・アソシエーションとマイクロファイナンス機関も、縫製工などの低所得者向けの生命保険商品を提供し、既に国内の縫製工600人が加入している。

保険の種類 Type of Insurance

 カンボジアで加入できる保険の種類について、インシュアランス・ブローカー・ソリューションのチア氏は、「個人向けと法人向けで大きく2つに分けられ、個人向けであれば、住宅保険、旅行保険、車両保険など。法人向けであれば、不動産保険、火災保険、一般損害賠償責任保険、オール保険、盗難保険、建設・組立工事中の物的損害を補てんする動産総合保険、社内での事故やケガなどに備えた福利厚生賠償責任保険、その他身元保証保険や銀行販売の保険、取締役責任保険など種類は沢山あり、また外国人向けには、他国での治療を視野に入れた包括的な医療保険が人気で、交通手段をこれはカンボジアで出来る医療方法には限界があるからです」と語る。

 また我々外国人向けに加入した方が良いものとして同氏は、賠償責任保険を挙げている。「これは個人の日常生活や企業の業務遂行中の事故により、第三者に対して過失があった場合、賠償金の支払や負担する費用を填補する保険です。特に日常で車を使用する場合、この保険には加入した方が良いでしょう」とアドバイスした。


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