カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

2016年6月13日
カンボジア進出ガイド

【金融・保険】

116 カンボジアの金融&保険⑤(2016年5月発刊 ISSUE04より)

保険 Insurance

損害保険 General Insurance

115 カンボジアの金融&保険②から続き

 カンボジアの保険業は著しく成長している。カンボジア保険協会(IAC)が発表した報告書によると、2015年のカンボジアの保険料収入は総額6,100万ドルと、2014年に比べ26.7%増加しており、保険市場は2009年から毎年2桁の成長しを見せている。2015年、保険金の支払い請求で業界が負担した総額は1,310万ドルである。

 株式会社損保ジャパン日本興亜とパートナシップを結ぶ大手損害保険会社のインフィニティ損害保険のマイケル・グリーン氏は、「カンボジアの保険業界はまだ成長初期ですね。2015年はたった6つの保険会社で、非生命保険を除くと5,300万ドルの利益がありました」と話す。

 今後の見通しについて同氏は、「2009年から2014年からの5年間、保険業界は平均して毎年21%の成長を続け、2014年から昨年かけては26.7%と記録的な増加となりました。国の経済成長と共に外国からの投資も伸びていき、保険市場も他のアジアよりはるかに高い速度での成長が期待されます。外資系企業によるカンボジアへの関心の高まりが予想されますね」と話す。毎年著しく成長する保険業界には保険ブローカーの参入が今後も盛んになるだろう。

 また、交通ルールの概念が日本に比べて薄いプノンペンでは、ルールを守らない現地人との接触事故を起こす可能性がある。特に車両と自動二輪車の接触の場合、車両の分が悪く修理費や治療費の他、警察が介入した場合彼らへのコミッションを請求される場合もある。中でも夜間の事故は被害が甚大となる可能性があるため、自動車保険は絶対に加入しておくべきだろう。それについて同氏は、「自動車事故に遭遇した場合、もちろん外傷を負う可能性もありますし、言語の問題から現場での補償交渉は難しいでしょう。事故が起こった時に、すぐに事故現場に駆けつけ、警察を含めた全ての人と条件や補償等について交渉が出来る、24時間体制サポートの保険に加入するのが良いでしょう」と語っている。

健康保険 Health Insurance



 企業が従業員のために加入する保険としては、傷害保険や健康保険が挙げられる。現地での保険の加入について、インフィニティ損害保険のグリーン氏は、「業態別に必要な保険は異なるので、しっかりと検討して欲しいです。カンボジアの医療や健康に関するレベルはまだ発展途上なので、健康保険に加入されるのが良いでしょう。その際には、会社ごとに保険会社に見積りをとれば、いくつかのパッケージの中から選択肢を提案してくれると思います。通院保障から入院保障などさまざまなオプションがあります。カンボジアの医療はまだまだ未熟なため、海外搬送の可能な保険も必要でしょう」と述べた。

 外国人が現地で加入する健康保険料は割高だ。日本からカンボジアに赴任するケースでは、予め旅行者保険を購入することで保険料を抑えることができる。同氏は、「もしこちらに来て間もない雇用者が準備していない場合、カンボジアに来る前に旅行保険を購入するのが賢明です。在住者がカンボジアで健康保険に入るよりはるかに安く、6ヶ月以上の保障が可能だからです。お金を節約する為だけではないですが、カンボジアに着いて保険の選択に奔走するより、カンボジアでの生活に落ち着く為の時間に使った方がいいでしょう」とアドバイスした。
117 カンボジアの不動産①へ続く


その他の「金融・保険」の進出ガイド

金融・保険
金融・保険
金融・保険