2016年6月21日
―――企業紹介をお願いします。
シーア・リッティ(以下、シーア) 私たちのワールドブリッジ・グループは全部で32の会社があります。メインは物流ですが、その他にも不動産、不動産、貿易、メディア、フード、エンターテインメント、Eコマースなど我々のグループでほとんど賄えるようになっています。1992年に最初の会社を設立し、私はその創業者でチェアマンです。
―――最近の物流業界について教えて下さい。
シーア カンボジアの物流は長く続いている業界ではなく、これからの投資が必要な業界です。最も大切なのはインフラの開発で、これには政府のサポートも重要になってきますよ。例えばインフラ開発を進める私企業に、政府が優位なスキームを提案するなどですね。そうすると企業は自社の物流コストを安くするためにインフラに投資をします。私たちの会社も同様です。
――AECについてはどのようにお考えですか?
シーア AECについていうと、カンボジアにはかなりの挑戦であり試練になるかもしれませんね。これからは隣国と競争する必要が出てきますが、私企業はまだ準備が整っていない。AECが機能する前に、隣国に勝つため全ての企業が様々な用意をすること、これが重要になってきます。
―――今後の物流業界について教えて下さい。
シーア さらにアップデートする必要がありますね。何故ならカンボジアは賃金の安さにもう頼れず、今のレイバーインセンティブに頼っている状況から、技術者の時代になってきます。特に日本企業は技術者を求めていますよね。政府や私企業が技術者育成に投資をすることで、日本企業のカンボジア誘致が進みます。
今政府も技術者増加の必要性を声高に言っていますが、ただ技術者への投資は学校建設などで非常にお金がかかります。私企業だけでやるにはタフすぎる。政府主導で、私企業と政府が協力して進める必要があります。カンボジアではまだ1つの企業で働いていても、他の企業で通用するとは限らず、隣国のように、技術者育成を取り入れて全体的な労働者のボトムアップをすることが必要になってきますね。
―――最後にメッセージをお願いします。
シーア ただ1つ言えるのは、たくさんの企業がカンボジアに来ていますが、どのビジネスであってもまず注意深く市場をみることですね。そして利益がきちんと出るかに焦点を絞る事。そしたら何でも上手くいくと思いますよ。(取材日/2016年4月)