――自己紹介をお願いします。
ソティアウィー・ヘン(以下、ヘン) ソティアウィー・ヘンです。グラブカンボジアのアクティングカントリーヘッド(Acting country head)です。グラブカンボジアのトップとして、カンボジアの人々にグラブのブランドをより認知させるための責任を担っています。
――どのようにグラブにジョインしましたか?
ヘン 今年の4月にグラブカンボジアに入社しました。まだ6ヶ月くらいです。グラブに入社する前は、マイクロファイナンス大手の1つであるAmret(アムレット)のマーケティングマネージャーをしていました。その前は、HIV、AIDS問題に関わるNGOで働いていました。この仕事の誘いがあった時、グラブのことを正直よく知りませんでした。ですので、会社のプロフィールやどのようなビジネスをやっているかをWebサイトでチェックをしたりもしました。
設立者であるアンソニー・タンやフィ・リン・タンがグラブを作った理由、また問題意識に非常に興味がわきました。「安全な移動」に関する問題です。例えば、女性の夜の移動です。カンボジアでは、女性が夜1人で歩くのに危ないところもあります。グラブがその問題の解決に貢献できると思った時、非常に興味がわきました。私は、その問題を解決したいですし、カンボジアの人々の生活水準も向上させたいです。
自分の話をさせてもらうと、毎朝、2時間くらい子供たちと車で過ごします。子供たちは車で朝食を取らければならないし、交通状況も非常に悪いです。移動時間が長いので彼らは車の中で宿題をする必要があります。この日々の出来事は私にとって、グラブに入社する大きな動機になったと思います。グラブは、すでにアジアに巨大なネットワークを持っているという実績もあり、非常に多くの仕事を提供できています。また、交通の様々な問題もテクノロジーによって解決する可能性をまだまだ秘めています。もちろん私は、職を選ぶ際、収入や事業内容も気にします。ですが、カンボジア社会に貢献したい思いが非常に強く、それが実現できるグラブで働くことに決めました。
――カンボジアの配車アプリの現在の状況を教えてください。
ヘン ご存知の通り、カンボジアは小さな市場ですが、多くの配車アプリがあり、競争の激しい市場です。ですが、グラブは安全性やセキュリティの点で、他の配車アプリより優れていると思います。ドライバーと乗客に個人傷害保険が付きますし、アプリを使えば、行き先までどのくらい時間がかかるかわかります。ドライバーはどういう人なのか、乗用車はどんなタイプなのか、事前に知ることができます。また、もし危険を感じたら、緊急ボタンも押すことができます。
予約時には、アプリを通じて、いくら払えば良いかかわかるので、必要以上に距離を走るドライバーは淘汰されていきます。また、グラブにはクレジットカードの支払いができます。これは大きな特徴だと思います。
――グラブカンボジアには何人のスタッフがいますか。
ヘン 現在50人以上のスタッフがいます。オペレーション、マーケティング、サポート、カスタマー部門があります。そして、我々にはドライバーセンターもあり、ドライバーにトレーニングの機会を提供します。ドライバーがアプリを使う上で何か難しいことがあれば、すぐにサポートする体制もあります。
――グラブのドライバーとの関係について。また、どんなドライバーがいるか。
ヘン 他社のサービスとの違い、意識していることは、ドライバーをパートナーとして見ていることです。私たちのビジネスにとって彼らは、欠かせない存在です。ドライバーがより良い収入を得るために、私たちができることは全て彼らに提供しています。
ドライバーたちは自分の車を持っていて、その後、私たちのサービスに参加してきますが、そこではドライバーのバックグラウンドをチェックする必要があります。また、お客さんへの接し方、アプリの使い方が理解できているかどうか確認します。それらに関するトレーニングも行います。
彼らがフルタイムかパートタイムであるかどうかは全く関係ないです。パートタイムの人は多いです。仕事をしたい時にできるのが魅力になっていると思います。私たちは、ドライバーに対して、非常にオープンで、多くのことを任せています。
例えば、私企業で働いていても、勤務終了後に私たちのサービスに加わる人も多いです。週末に私たちのサービスに参加し、家族を支える収入を増やすことができます。そういった意味で、非常にオープンな環境を提供しています。繰り返しますが、ドライバーがフルタイムかパートタイムかどうか、また、現在の職業が何かは気にしません。しかし、私たちが心配するのは、ドライバーが乗客に対し、適切な振る舞いをしているか、サービスをするために適切な知識を持っているかです。これは、私たちが関わっていかなければならないことです。
(次回へ続く)