2017年8月1日
――はじめに、ご自身のプロフィールについて教えてください
ダルー・ホア(以下、ダルー) 私はダルー・ホアです。フランスの大学院を2015年に卒業して帰国し、EXNET TAXI CAMBODIAという名前でタクシー配車アプリ会社を立ち上げました。他にもIT事業をいくつか手掛けていますが、これからはこのタクシー配車事業をメインにやっていこうと思っています。IT事業とは、システム構築ですね、いろいろなシステムを作っています。
――なるほど。だからこのようなアプリをご自身で開発して始めたんですね
ダル― はい、2016年6月にこのタクシーアプリを立ち上げました。カンボジアで、このアプリを広める事ができてとても嬉しいです。
――なぜこの事業を選んだのですか
ダル― カンボジアに必要なものだったからです。タクシードライバーはお客様を見つけにくいし、お客様はなかなかタクシーを捕まえられない。このアプリを始めるにあたって、追求したことは「安全さ」と「便利さ」です。安全面に関しましては、予約の際に、ドライバーの名前、顔写真、電話番号、車種、ナンバープレートなどを明記して、身元を明らかにしています。便利さに関しましては、2017年4月現在約600名のドライバーが登録していますので、予約してから配車まで時間がかからないことです。呼んだらすぐ配車できることを常に考えています。だいたい3分以内、インターネットや交通量の関係でもう少し時間がかかることもありますが、5分程度で配車できるように努力しています。私たちのサービスは24時間なので、シフトを組んでいます。常200~300名くらいのドライバーが待機している状態でしょうか。
――では、ユーザーからクレームが来た際は、どのように対応されていますか
ダル― 私たちは、利用してくださるお客様の意見を大切にしています。良い意見も悪い意見も、私たちのサービスをより良いものにするため、奨励するようにしています。そういう声はアプリから直接メッセージをもらうようにしています。私たちは、常に良いサービスを提供できるよう努めており、お客様の意見の中には、私たちのサービスをより良く改善するためのヒントが秘められています。週に1~2件程度、クレームに限らず、ユーザーからメールで問い合わせがありますね。だから多くはありません。もっとどんどんご意見をいただきたいです。
――実際に窓口はご自身でされているのですか
ダル― 私たちはカスタマーサービスを設けており、お客様からの苦情や意見だけでなく、ドライバーからの連絡も受けています。私たちはカスタマーサービスも含め、1つのチームとして動いているのです。
――いままでどのような苦労がありましたか
ダルー そうですね、まったく初めてのことでしたので、啓蒙、トレーニングが大変でした。
ドライバーへのアプリの使い方や決済の仕方のトレーニング、また英語を話せないドライバーへの教育もそうですし、中には反発してくるドライバーもいました。また、ユーザーもアプリの使い方がわからず間違ったやり方をしていたり…。とにかくたくさん苦労しましたし、難しかったです。
――ドライバーはどうやって見つけているのですか?
ダルー 実際に、我々やスタッフがタクシーを呼んでお客として乗りながら話をしたり、紹介してもらったり、とにかく一人ひとり地道に増やしていきました。同じように、ユーザー獲得も一人ひとり声かけて地道にダウンロードしてもらっていました。
――今は競合も増えてきましたね
ダルー たくさんでてきましたね。ただ、私たちが先行者であるので、プロフェッショナルであるし、クオリティもどこよりも担保できていると思っています。なので、あまり他社は意識していないですね。私たちができることをしっかりやるだけです。
――しかし、大手のウーバーがでてくるという話もありますが、いかがでしょうか
ダルー でもプノンペンはマーケットが小さいですからね。10分も走ればもう外れに出てしまう。彼かがどんなマーケティングをしているかわからないですが、大手がでてくるメリットはあまりないような気がします。
――シェムリアップやほかの場所に展開する予定はありますか
ダルー そうですね、シェムリアップは10台程度しかタクシーがありませんし、他の場所は押して知るべしで…。やるとしたら他の国ですかね。でも、まずはもっとプノンペンでサービス向上に努めます。現在2000人くらいのユーザーがいまして、月に12,000回ほど使われていますので、その数を増やして、もっとサービスの質を高めたいです。また、近々クレジット決済ができるように準備しています。 (取材日/2017年1月)