ますますIT技術が広まるカンボジア。今、カンボジアではIT分野での起業が盛んだ。外国人観光客を相手にオンラインバス予約サービスを展開する若い起業家、ランダー・チェアCEOもその1人で、2016年にカンボジアICT賞など数々の賞を受賞し注目を集めている。
質問に明るくひょうひょうと答える姿はまさに現代のカンボジアの若者だ。
―――資金調達について。
ランダー・チェア(以下、ランダー) 実はそれほど苦労していません。IT技術は伸びていますので、スポンサーもつくだろうと楽観的に考えていたし、その通りになりました。2015年ごろからカンボジアの銀行や投資家の考え方も変わってきました。以前は、安定した利益を得るために、経営が安定している大手企業に投資が集まっていしましたが、経済成長が進む中で個人資産や銀行資産も増えてきたので、ようやくベンチャー企業にも目を向けられるようになったと思います。それが2015年ごろで、僕らが起業した年です。けれども、果たして本当に偶然なのかというとそうでもないかもしれません。
ともかく、僕らは2016年に国内で有数の賞を受賞したことで、主にカンボジアやタイ、ベトナムの大手企業や個人投資家から多くの投資を受けることに成功しました。時代に合ったビジネスを考えたことが成功の秘訣です。そのベースとして、時代に合った学問を学んだこ
とも一つの要因だといえますね。
実はBookMeBus以外にはタクシー配車予約サービスなども計画していました。当時のあのエネルギーを使えば、そのどれもが高いクオリティを保ったIT技術となっていたと思います。
―――他者より勝るオンラインバス予約サービスとは。
ランダー BookMeBusはカンボジアでも有数のバスチケット予約システムです。僕らはカンボジアで成功したベンチャー企業の1つであり、様々なメディア等で紹介されています。
カンボジアのバスを利用したことはありますか?利用してみるとわかるのですが、非常に面倒なんです。そもそもクメール語が読めませんし、電話口でもノンネイティブの英語がわからない、荷物の預かり等も不安ですよね。そんな不満や不安を解消できるのがBookMeBusです。
バスの出発スケジュールと帰着スケジュールから予約することができるし、バスの種類も選べます。Wi-Fiが使えるかどうかは必須ですよね(笑)私も必須です。予約が完了したら、クレジットカード等で決済します。そして、自宅などでチケットを印刷するだけです。簡単ですよね。
今では、国内外多くお客様が路線を捜し、バスのチケットを予約することを可能にしています。先ほど、クレジットカードと述べましたが、中国人のお客様向けにアリペイやウィチャットペイも利用できます。
また、価格を比較してバスを選ぶことができます。古くからある大手バス会社など低価格帯のバスも用意しています。
さらに、利用者からのレビューによるバス会社や運転手の評価機能をある点は、他社に勝っている部分ですね。外国人のお客様はレビューによる評価をかなり意識します。運転手の態度が悪ければレビューは下がりますし、レビューが低いバスに乗ってしまったとしても、レビューの評価を明記しているので、クレームなどの電話はめったにきません。それどころか、最高のサービスだったと褒めてもらえます。
―――今後の挑戦とビジョンとは。
ランダー 目先の挑戦としては、中国語。中国人のお客様が増えているので、中国語に対応してほしいという要望が後を絶ちません。
将来的な大きな挑戦としては、BookMeBusを全てのプラットフォームに適応させることです。例えば、先ほど中国語対応の課題について述べましたが、もしBookMeBusをWechat内で完結できたら最高ですよね。親しみのあるアプリ内で決済できることは外国からの参入障壁が壊します。これをぜひ実現したいです。多くの外国人の利用だけでなく、大企業との業務提携にもつながるかもしれません。
また、オフラインで予約できるサービスにも挑戦したいですね。例えば、ユーチューブはオンライン時に動画をダウンロードし、オフライン時に動画を視聴できるサービスがあります。それを応用しようという話も議題に上がっています。
BookMeBusを今後5年以内に旅行者にとって最初の選択肢となることを目指しています。BookMeBusは、旅行者や運営者にあらゆる場所で旅行予約を行うための費用対効果の高いサービスを提供することを目的としています。時代に合わせたサービスの向上を常に意識しています。もしも、他企業が僕らと同じようなシステムやアプリケーションで新規参入してきたとしても、現在のBookMeBusは、ほんのごく一部のサービスでしかないと今の時点でいえます。バイク、タクシー、飛行機等様々な予約システムの実現に向けて、いま取り組んでいる最中です。
(取材日:2019年04月)
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