国家商業仲裁センター(NCAC)は昨日、2014年の本格始動から2件目となる取引紛争を扱っていることを明らかにした。
NCACはカンボジアで唯一の取引紛争を仲裁する第三者機関で、2013年に設立されたものの財源不足により活動しておらず、知名度が低かった。
NCAC所長のロス・モニン氏によれば、今回のケースは今月20日に持ち込まれ、カンボジア政府と設備提供の契約をしている民間企業が関与している。プノンペンポスト紙によれば、秘密保持の原則によりどの省庁が契約違反に及んだかなどの詳細は語られなかった。
ロス氏は、「このケースが解決されれば、NCACの能力の証明と企業からの信頼につながるだろう」と話す。
現在NCACは今回のケースを取扱対象にするかどうかの査定中で、もし決まれば調停プロセスが開始される。
法律事務所HBSローの弁護士であるピーター・ミューズ氏によれば、「仲裁センターがどのようにケースを扱うのか知らない人が多くても、案件数が多くなればなるほど仲裁システムへの信頼度も増す」という。
カナダ商工会議所会頭のデビッド・マーシャル氏は、「NCACの成功は、カンボジアでビジネスをしている側をどのように指導して、契約内容に商事仲裁条項を記載させるかにかかっている。カンボジアの多くの契約内容には記載されていると思うが、外資系企業の場合はそうではない」と話す。