(2019/6月発刊10号より)
AIAグループのカンボジア支社でファイナンシャルプランナーとして働き、1年。チェアさんの始まりは、5時半。クライアント中心の生活のため、土日出勤もある。そんな彼女になぜAIAグループで働くことになったのか、どのように仕事に向き合っているのかを聞いた。
「チェアさんは中学生の頃に、父親を亡くし7人兄妹の下から2番目として、働きに出ていた兄たちの金銭的支援を受ける生活を余儀なくされた。父親は警察官をしており、その父親が亡くなる前までは金銭的には困っていない家庭だったが、亡くなった後は母も働きに出たという。
「当時は、そのことに疑問を持たずに生活していました。4年制大学を卒業後、同級生からも人気のあった韓国の大手電気メーカーに勤めました。そして2年後にふとしたきっかけで初めて生命保険というものを知りました。生命保険を利用する機会があれば、私の家族のような家庭を減らせるという思いから転職することに決めました」。
「現在はファイナンシャルプランナーとしての仕事を行なっているチェアさん。AIAは職場の風通しが良く、上司に相談しやすい環境が整っており、大手電機メーカー時代は大企業ならではの職場環境だったという。
「以前の職場で私語は禁止でした。外出も昼休みやクライアントと会う以外には許可されておらず、和気あいあいとしていませんでした。そのせいか、上司に仕事の相談をしづらく中々自身が成長できずにいました」と話してくれた。
「前の職場は初任給が400ドルでした。歩合により上がりましたが、それでも600ドルくらいです。現在は、歩合によりますが1500ドル~2000ドルの間です。以前は、与えられた仕事のみ行っていましたが、現在は自身で企画、営業を行うため以前の職場より業務量が多く、効率性も求められますが、給与面では何一つ不満はありません。順調に行くと、30代~40代の時点で3000ドル~4000ドルに達する予定です」。
カンボジア人の年間給与(下図参照)は高所得の部類に位置するのが3000ドル~7500ドルの間であり、チェアさんは大きくそれを上回っている。
チェアさんはクライアントから相談を受け、予算にあった最適な商品をおすすめしている。時には自分の経験を話すこともあり、クライアントはチェアさんに信頼を置いて、ほとんど契約をしてくれるという。しかし、その反面、葛藤もあるという。
「自分の経験が活かせることは嬉しいです。しかし、生命保険の仕組みを理解せずに契約されてしまうクライアントが多いです。よりクライアントに寄り添った責務を果たすには、生命保険の仕組みを理解してもらった上で他社の保険商品と比較してもらい、AIAを選んでいただくことこそが責務だと思っています。どのようにすればクライアントが生命保険の仕組みを理解してもらえるかを日々考えています」。
ファイナンシャルプランナーとして勤務する以上、クライアントの不幸は免れない。土日はクライアントが入院する病院へのお見舞いやクライアントの葬式の参加などがほとんどだという。しかし、生命保険を契約していたことで金銭的な負担が無く生活をできているクライアントが多く、ほっとする毎日だという。
「クライアントの多くは妻子ある方ばかりです。クライアントの不幸は大変悲しく不安に感じます。しかし、それ以上に悲しいのは残された子供達の行く末です。私もまた、同じ立場だったので、ちゃんとご飯を食べることができているか、学校には通えているかなど心配ばかりです。しかし、クライアント宅を訪問して元気に走り回っている子供達を見ると悲しみも和らぎ、本当に心からこの仕事をしていて良かったと思える瞬間です」と涙を交えながら話してくれた。
チェアさんに将来の目標を伺うと、一風変わった答えが返ってきた。
「将来は電気用品のオンラインショップを開業したいです。電機メーカーでの勤務経験や、AIAで企画から営業まで全ての経験があります。何年後になるかはわかりませんが、母はもう70歳になり、体力に衰えが見えます。母との時間を少しでも多く作りたいため、自営業を将来は行いたいと思っています」。
母への思いが伝わってくる。まずは目の前の仕事を一生懸命に。これからもチアさんは、ファイナンシャルプランナーとして使命感を持ち、カンボジアの保険業界へ貢献していく。
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