(c)Phnom Penh Post
カンボジアの衣料品や靴の輸出は、今年の成長率が5%程度で、2016年の7%に比べて低下する可能性が高い。プノンペンポスト紙が報じた。
カンボジア縫製業協会のケン・ルー事務局長は10月25日、「縫製業や製靴業の成長は横ばいだ。業界は健全だが、最低賃金の引き上げにより、徐々に競争優位を失うだろう。最低賃金が170ドルに達すれば、生産性の向上やビジネスコストの低減、政府による労働コストの上昇を相殺するような新しい政策などがなければ、多くの工場が困難に遭う」と述べた。同氏によると、今年は25の工場が開かれ、53の工場が閉鎖したという。
関税局によると、カンボジアは、2015年の68億ドルと比べ、2016年には73億ドル相当の衣料品と履物製品を輸出し、その総額の70%以上をEU、米国、カナダで占める。
シアヌークビルで縫製工場を運営する仏企業のCEOは、「報道によるとカンボジアは中国と比較して月額給与が60%安くなる。しかし、カンボジアの生産スピードは、中国の75%に比べわずか35%だ。効率性を考慮すると、カンボジアは30%安いだけだ」と話す。
一方、国際通貨基金(IMF)が先週発表した最新の経済見通しによれば、近隣諸国との競争激化により、衣料品分野の成長は鈍化すると予測された。しかし、特定の旅行関連品目に対する米国の貿易優遇措置が、短期的に縫製業を支える助けになる可能性があると指摘している。
カンボジアの中国商工会議所の繊維工業部会の会長は、「衣料分野への投資誘致のメリットは、EUのEBA協定と、旅行商品に関して米国に自由にアクセスできることだ。しかし、労働者の生産性が向上しなければ、最低賃金引き上げにより確実に危険にさらすだろう。政府が電気代や輸出入手数料を削減するなど、工場所有者の負担を減らさなければ、工場は確実に閉鎖する」と語った。