保険監督庁(Insurance Regulator of Cambodia:IRC)が7月に発表した統計によれば、2025年5月における保険契約件数は前年同月比で130.97%増加し、94,818件から218,998件へと急増した。生命保険が103.64%増(74,473→151,656件)、一般保険が231%増(20,345→67,342件)と、いずれの分野でも顕著な伸びを示した。
保険金支払い総額(Gross claim incurred)は全体で5.03%増加したが、その内訳には差が見られる。
一般保険では44.73%増(325万ドル→471万ドル)であった一方、生命保険では38.69%減少(295万ドル→181万ドル)している。
一方で保険料収入(Gross premium)では、一般保険が4.66%減(1,140万ドル→1,087万ドル)となったのに対し、生命保険は4.26%増(1,646万ドル→1,716万ドル)となった。
保険金総額(Sum insured)は、一般保険で45.89%増(55億ドル→80億ドル)、生命保険で15.05%増(14.7億ドル→16.9億ドル)と、契約規模の拡大も明白である。
2025年5月時点における一般保険内の構成比は以下の通り:
・財産保険:34.1%
・自動車保険:19.3%
・健康保険:15.1%
・輸送保険:8.7%
・工事保険:7.5%
・傷害保険:7.3%
・その他:7.9%
カンボジアの保険市場は2024年においても総保険料3億5640万ドル(前年比3.5%増)を記録しており、国内には18の一般保険会社、14の生命保険会社、7つのマイクロ保険会社、1つの再保険会社が存在している。
同国の保険業界全体の資産総額はすでに10億ドルを超えており、社会保障制度への支援や経済発展への寄与が期待されている。
IRCのボウ・チャンピロウ長官によれば、カンボジアにおける保険のGDP比率(保険浸透率)は2023年時点で1.16%、保険密度は1人あたり21ドルと報告されている。
世界最大級の統計ポータルサイト、スタティスタ(Statista)によると、同国の保険市場は今後も堅調な成長を続け、2025年には総保険料が19.7億ドルに達し、2025年から2029年にかけて年平均1.84%の成長が見込まれている。
この成長は、保険に対する認知の向上やニーズの多様化によって支えられている。