カンボジアコメ協会(CRF)によれば、2025年1月から5月までの精米輸出量は34万4199トンに達し、前年同期比で13.7%増加した。これに伴い輸出額も2億5230万ドルとなり、前年の2億1900万ドルから15%上昇した。
輸出は48社のライセンス企業を通じて63カ国に向けて行われており、ヨーロッパ向けが16万732トン(1億2675万ドル)、中国とその特別行政区向けが9万665トン(5325万ドル)、ASEAN5カ国向けが4万9700トン(3456万ドル)、その他30カ国向けが4万3099トン(3780万ドル)である。
輸出される精米品種は、香り米、長粒白米、パーボイルド米、有機米などであり、このうち香り米が75%を占める。香り米には、世界コメ品評会で何度も最優秀賞を獲得した「Phka Rumduol(プカ・ルムドゥオル)」が含まれており、「世界最高の米」と称されることもある。
一方で、国境貿易による籾米の取引量は310万トン、収益は7億4000万ドルを超えており、精米輸出とは別に大きな経済的貢献を果たしている。
2024年の年間実績としては、65万1522トンの精米を輸出し、総額は4億9100万ドルであった。
CRFのチャン・ソクヘン会長は、「輸出の成長は既存市場および新市場における前向きな動きである」と述べ、「CRFは今後も輸出拡大に努める」と語った。CRFは2025年までに精米輸出100万トンの達成を目指しており、政府も農家からの籾米買い取りのために1億5000万ドルの資金を米加工業者に提供している。
また、今年2月のフン・マネット首相によるフィリピン訪問では、農業分野を含む8件の覚書が締結され、農業協力の深化が期待されている。フィリピン農業大臣は「カンボジアは今後、米市場多様化において重要なパートナーとなる」と述べている。
カンボジア国内で販売される一般的な香り米の小売価格は、種類や等級により異なるが、概ね5キログラムあたり1万5000~2万2500リエル(約533~907円)程度である。
対照的に、日本国内における一般的な国産米の小売価格は、2025年4月21日までの1週間のスーパーでのコメの平均価格は5キログラムで4217円と高騰中だ。
一方、世界コメ品評会で最優秀賞を受賞したプカ・ルムドゥオル米のような高品質米については、都市部のスーパーマーケットや高級輸出向け販売ルートでは、国内でも5キログラムあたり4万~6万リエル(約1422~2133円)前後で販売されており、それでも日本国内の一般的な国産米の半額以下だ。