カンボジアの保険市場は2023年に著しい成長を見せ、総保険料収入は3億5,700万ドルに達し、前年の3億270万ドルから17.5%増加した。保険監督庁(Insurance Regulator of Cambodia:IRC)が発表した年次報告書によれば、生命保険部門が市場の59.6%を占め、2億1,300万ドルに達したほか、一般保険が35.6%(1億2,700万ドル)、マイクロ保険が4.8%(1,700万ドル)と続いた。
IRCのチア・ソペアック局長は「この成長は、カンボジア経済の安定と拡大する中間層、ならびに保険の重要性に対する国民の理解が高まっていることを示している」と語った。
契約数は全体で339万件にのぼり、内訳は生命保険が78万件、一般保険が14万件、マイクロ保険が247万件である。保険業界は、年間22.5%という高い成長率を背景に、今後も拡大が見込まれており、特にデジタル保険商品の導入とリスク管理の強化が進められている。
現在カンボジアには保険会社が19社(うち、生命保険11社、一般保険7社、マイクロ保険1社)、ブローカー会社が5社、代理店が1社、保険鑑定人が9社存在する。
IRCは今後、業界の信頼性向上のため、保険商品の多様化とデジタル化、契約者保護の強化を推進するとしている。さらに、規制強化とガバナンスの向上を通じて、国内外からの投資を一層促進する構えである。