2024年、カンボジアのクレジット残高は約590億ドルに達し、利用者数は全国25の州・都で500万人を超えた。カンボジア信用情報機関(CBC)のレポートによると、全国の197の加盟金融機関のデータを集計した結果、プノンペン、カンダール、シェムリアップの3地域で全体の約60%を占めている。
具体的には、プノンペンが全体の50%にあたる119,021,947百万リエル(約295億ドル)で最多、次いでカンダール州が5%、シェムリアップ州が4%。最も借入額が少ないのはモンドルキリ州、パイリン州、ケップ州であった。
貸付金の質に関しては、返済期限を90日超過した比率(90+DPD)が全国平均6.03%。特にスバイリエン州は3.51%と最も低かった。一方、融資利用率が60%を超える州の平均90+DPDは5.73%で、コンポンスプー州(6.89%)やコンポントム州(6.68%)が目立つ。
また、個人や企業の約76%は1つの金融機関からのみ借入を行っており、複数機関からの借入は少数派である。これは健全性の指標とされ、特にトボンクモム、モンドルキリ、ケップでは80%以上が単一機関からの借入だった。
マイクロファイナンスは全体のクレジット残高の10%に過ぎないが、借入者の40%を占めている。カンボジアマイクロファイナンス協会(CMA)は、過剰債務防止のためのガイドライン導入や信用リスク管理の強化に努めていると述べた。
一方、カンボジア国立銀行(NBC)のチア・セレイ総裁は、建設、不動産、観光、小売などの回復の遅れが貸付需要の減少につながり、金融機関も慎重な融資姿勢を取っていると説明。ただし、預金は16.3%増加し、システムの流動性と市民の信頼は維持されているという。