カンボジア産業科学技術イノベーション省のヘム・バンディー大臣は、中国系企業レッソ(Lesso Cambodia Trading Co Ltd)に対し、カンボジアをASEANおよびその他地域への輸出拠点として活用するよう要請した。レッソグループは中国を本拠地とする多国籍企業であり、世界30カ所に生産拠点を持つ。カンボジア工場は2022年11月に設立され、年間4万8000トンの製品を生産し、主にカンボジア人スタッフ168名を雇用している。
ヘム大臣は、同工場の進展を称賛し、輸出拡大のための多様な製品開発を提案した。具体的には、建築材料にアルミ製品を加える可能性や、研究開発(R&D)を通じた品質向上を求めた。また、国内の水道インフラの標準化が必要であり、特に下水処理や清浄水供給のための高品質なパイプの需要が高まっていると指摘した。
同大臣は、「カンボジアが2029年に後発開発途上国(LDC)から卒業する準備を進めている中で、輸出支援の重要性がさらに高まる」と述べた。また、「政府は企業への技術的・法的支援を提供し、持続可能な運営を確保する」と付け加えた。
レッソ・カンボジアのゼネラルマネージャー、ウー・ジーヤン氏は、品質へのコミットメントと地域経済への貢献を強調し、カンボジア標準協会(ISC)との協力に意欲を示した。
今回の訪問は、カンボジア政府が産業の近代化、輸出力の強化、持続可能な発展を推進する戦略の一環と位置づけられる。視察中、視察団はPVCパイプ(塩ビ管)の生産倉庫やHDPEパイプ(高密度ポリエチレン配管)の生産工程、品質管理(QC)システムを確認し、完成品の保管施設を見学した。