カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

  • 経済
  • 2019年11月26日
  • カンボジアニュース

ASEAN諸国の銀行、デジタル革新を迫られる[経済]


(c)Khmer Times

 今月24日から3日間に渡りプノンペンで開催されたASEANバンキング・カンファレンスが開催された。東南アジアの銀行家は業務改善のためデジタル革新に注力することが求められている。クメールタイムズが報じた。

 「ASEANコネクティビティ2025:『1つのASEAN銀行部門』を目指す、デジタル革新の新しい世界」と題された今回のカンファレンスには、ASEAN諸国の上級専門家らが出席し、銀行及び金融サービスのデジタル変革に焦点が当てられた。

 カンボジア国立銀行(NBC)のチア・チャント総裁は、「テクノロジーの発達によって、ASEANやカンボジアの銀行部門は拡大し強化された。銀行や金融機関は、テクノロジーを取り入れ新しい金融商品やサービスを開発し、コスト削減や時間短縮といった利便性を顧客に提供できるようになった。こうしたイノベーションが、金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)だけでなく経済活動の成長をも支えてきた」と述べた。

 カンボジア銀行協会(ABC)会長でアクレダ銀行頭取のイン・チャンニー氏は、「このカンファレンスは、カンボジアの銀行にとってASEANのカウンターパートナーから学びを得る良い機会となった。得た知識は、国内金融部門における機会創出やカンボジアの顧客に対しより良いサービスを提供することに役立てられる。近年、カンボジアの銀行部門では、特に電子決済による支払いの最適化といった金融インフラの開発と近代化により、目まぐるしい進歩が見られる。こういった進歩によって、カンボジアのすべての人々がいつでもどこでも適切な金融サービスが利用できるようになるだろう」と述べた。

 今回のカンファレンスは、カンボジア銀行協会とアジア銀行家協会(ABA)の主催によるもので、デジタル化やフィンテック、サイバーセキュリティ、ブロックチェーン、デジタル革新に関するパネルディスカッションが行われた。

 カンボジア銀行協会には66の会員がおり、44行の商業銀行、17行の専門銀行などで構成される。ASEANバンキング・カンファレンスは2年ごとに開かれるが、カンボジアがホストとなったのは今回が初めてだった。

関連記事
経済
小売ローンの質悪化、支払遅延率が上昇-カンボジア信用情報機関[経済]
(07日)
経済
カンボジア銀行業界の利益率低下、個人ローン増加と不良債権が背景[経済]
(07日)
経済
カンボジアの融資再編、2025年末まで延長へ-経済成長と金融リスクに対処[経済]
(10月16日)
経済
カンボジアのマイクロファイナンス:過度な負債と土地の担保の現状[経済]
(09月05日)
経済
2023年カンボジア経済、信用成長の停滞と不良債権増加の警鐘[経済]
(09月05日)
経済
カンボジア中央銀行、通貨市場に介入してリエルの価値を維持[経済]
(08月30日)
あわせて読みたい
特集
急拡大するカンボジアのマイクロファイナンス市場。存在感を増す日系企業の参入と巨額投資、そのマネーが向かう先の実体は?(3/3)
業界
銀行業界は強い成長を見せている [金融・保険]イン・チャンニー
業界
カンボジアの金融革新のリーダーであり続けます [金融・保険] ジョジョ・マロロス
業界
ANZグループとしても、世界70%の地域での営業活動を行う中で、アジアへの自由貿易の重要性を認識しています[金融・保険] レオニー・レスブリッジ
業界
常に革新的な商品とサービスを提供し続ける [金融・保険] パン・イン・トン
経済の最新ニュースランキング
最新ニュース