(c)Phnom Penh Post
カンボジア政府は、来月のコメ収穫に向けて緊急コメ融資資金に更なる資金投入を行い、融資の総資金額は5千万ドルに増加した。プノンペンポスト紙が報じた。
国営の農村開発銀行(Rural Development Bank:RDB)のCEOであるKao Thach氏は、政府は更なる2300万ドルの追加を公式に承認したとし、新たな融資は資金不足に陥っている精米業者の支援のために使用されると述べた。
国内産業を脅かす2年連続の干ばつとコメ価格の低下を受け民間企業から支援への需要が起こり、政府は昨年9月、2700万ドルの資金を調達。
しかし実際には2700万ドルのうち350万ドルしか利用されず、また先月コメ緊急資金の一部を、トウモロコシ産業に融資。しかし同氏は、今回の2300万ドルの資金はコメ産業のみに割り当てられると説明。現在、コメ産業が利用可能な融資合計額は5000万ドルで、金利は年利5%で低下するという。
同氏はまた、融資の利用が少なかった理由について、精米業者が市場の不安定さを懸念していたためと説明。
精米業者であるLBNアンコールのマーケティング・マネージャーは、融資は精米業者にとって必要であるものの、担保は現実と合わず、多くの精米業者も融資にアクセスできなかったと発言。ローンを適用する基準は、小規模株主にとってではなく、大企業の精米業者や輸出業者に対してのみ有効であり、多くの精米業者は懸念を抱いていると指摘した。更に同氏は、融資資金の問題点について、現状や産業の複雑さを認識していないことを挙げた
大規模なコメ貯蓄施設を運営するPhou Puy氏は、業界が財政的に苦戦しているだけでなく、農家の生産量が増加したため、精米業者は倉庫への投資ができていなかったと発言。
同氏によると、政府は市場の需要を調査し、次シーズンに向け準備しているようだ。また民間部門も、貯蓄不足を回避するため、融資申請可能になるよう準備をしていると述べた。
カンボジアは、悪天候による影響があったにも関わらず、昨年約54.2万トンの精米を輸出。
輸出業者は、中国への輸出の倍増、今後5年間に100万トンのカンボジア米を輸入することを検討しているというバングラデシュの発表を受け、今年の輸出量は増加すると期待している。