(c)Phnom Penh Post
フン・セン首相は、労働者のニーズと需要をより理解するために、週に1回、カンボジア全土の縫製工場を訪問すると発表した。一部の評者は、来年7月の全国選挙に先立って、有権者にアピールしようとする試みを指摘している。プノンペンポスト紙が報じた。
今月4日の閣僚会議後に発表されたメモによれば、訪問は今月20日から開始し、首相のスケジュールが許す限り、毎週日曜日に労働者と面会する予定だという。閣僚評議会のスポークスマンは、国民の要求に応じて首相は解決策を提供すると述べた。
衣料品労働者の最低賃金は毎年上昇しており、現在では月153ドルとなっている。首相の工場訪問発表は、政府、労働組合、雇用団体がどれだけ賃金を引き上げるかを議論する3者協議が開始する数ヶ月前に始まる。また同スポークスマンは、訪問は必ずしも選挙に関連していないと説明した。
労働者は日曜日勤務しないのにも関わらず、CPP派のカンボジア労働者連合協議会Som Aun会長は、労働者に対し首相に面会し、直接懸念事項を伝えるよう発言。同氏は、日曜日は仕事に影響を及ぼさないため、面会に良いと述べている。
しかし労働組合員のAth Thorn氏は、「これまで首相が労働者に関心を持っているのを見たことがない。今が選挙近い時期であり、工場を訪問しようとしているだけだ」と述べ、首相の訪問についてより懐疑的な姿勢を見せた。
同氏は更に、賃金、失業、労働環境といった問題を理解するためには、工場職員と話すだけでなく、独立労働組合の労働者と会うべきだと指摘。
政治アナリストのCham Bunteth氏も、首相の訪問が重要な国家選挙に先立った単なる政治的なものではないことを願っていると述べ、「選挙前の1年間や数か月のみではなく、一貫して実行するべきだ」と発言した。
現在、縫製産業は、100万人近い労働者を雇用している。