1月5日に発表された政府統計によると、昨年の精米輸出の伸び率は、2015年に比べてわずか0.7%と2014年以来最低の数字を記録した。
農林水産省の農業局長は、「昨年、カンボジアが輸出した精米はたった54万2144トンで、第1四半期と12月の落ち込みが全体的な業績に影響を与えた。第1四半期には、深刻な干ばつが起こり、より安価なベトナム米の流入が原因となった」と述べる。
昨年3月、精米業者と輸出業者は、「輸出及び国内市場での競争が激化し、ベトナムからの低品質米の流入により、農家、精米業者、輸出業者で倒産が広がっている」と政府に介入を促しており、9月末には、米価格の下落を防ぎ、農家からコメを購入するため、精米業者に2700万ドルの融資を行うことで政府は対応していた。
カンボジアコメ協会(CRF)のフン・ラック副会長は、「カンボジアの生産コストはタイやベトナムに比べてとても高く、カンボジア米は市場での競争力がない。隣国の価格が安ければ、バイヤーがそれらの国からコメを輸入することは明らかだ」と、2016年の輸出が急落すると予測していたと述べた。
また、アムルライス(カンボジア)の社長は、急落した理由について倉庫不足を挙げ、大規模な米貯蔵庫と水田乾燥施設が必要だと話している。
しかし、CRFのフン副会長によると、「中国が米農家と精米業者の支援のため、カンボジアから毎年20万トンのコメを購入することに正式合意した。CRFは商業省と協力してカンボジアのコメ市場の拡大を図っており、現在はインドネシアと東ティモールと交渉している。最近、マレーシアからの注文も受けており、今年の見通しはよりポジティブになるだろう」と付け加えた。