カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

  • 経済
  • 2016年10月27日
  • カンボジアニュース

アユタヤ銀行はカンボジアMFIからより多くの成長を期待する[経済]

news_201610271
(c)Phnom Penh Post

 タイで5番目に大きい商業銀行、アユタヤ銀行は、9月にカンボジアのマイクロファイナンス機関のハッタカクセカー(HKL)の買収を完了し、最初の財務諸表を発表した。前年同期から10.6%の純利益の増加を示していた。プノンペンポスト紙が報じた。

 アユタヤ銀行は、別名でクルンシィと呼ばれており、HKLの取得価格は公表されていないものの1億4000万ドル超と見られている。収益にHKLの取得は含まれなかったが、この買収で収益が上がる可能性が高い。

 同社の後藤謙明CEOは、「クルンシィは現在、カンボジア、ラオス、ミャンマーで事業展開しており、HKLの買収はASEAN全体で事業拡大を行う重要な指標であった。HKLを含むとローンの成長目標は5〜6%から8〜9%に上方修正する」と述べている。

 今年最初の9ヶ月間で、アユタヤ銀行の貸付ポートフォリオは7.7%増加し、うちHKLは1.1%を占めた。主な成長の要因は、自動車ローン、住宅ローン、クレジットカードおよび個人ローンの拡大で、不良債権率は貸出金額の2.1%まで下落し、第3四半期の利益は、約1億2200万ドルを記録した。アユタヤ銀行は、日本に本社を置く三菱UFJフィナンシャル・グループが、資産500億ドル以上を保持している。

 HKLはカンボジア第4位のマイクロファイナンス機関で、2015年の年次報告書によると、150支店および資産4億4600万ドルを持ち、貸出金融資産は3億6350万ドル、預金は2億3640万ドル、年間純利益の伸び率は37%だった。

関連記事
経済
カンボジアの不良債権比率が7.9%に上昇、資産の質に懸念――世界銀行報告[経済]
(06月13日)
経済
小規模企業向け融資残高35億ドル突破も信用懸念──建設分野の延滞率21%に[経済]
(05月08日)
経済
カンボジアと日本、QRコード決済連携を推進──普及と実装に課題も[経済]
(04月27日)
経済
カンボジア、ブロックチェーン金融に本格始動──民間主導でデジタル化加速[経済]
(04月16日)
経済
個人ローン急拡大でNPL比率上昇──中央銀行が警戒感[経済]
(04月11日)
経済
カンボジア金融セクター、不良債権急増で収益圧迫[経済]
(03月26日)
あわせて読みたい
特集
日本企業ならではのサービスや従業員教育を市場流入させたい
特集
隠れた“フィンテック先進国”カンボジア ~スマホ・携帯による送金額は国内総生産の半額規模にまで到達、急速に普及する金融×IT先端サービスの行く先は?~ (1/4)
特集
本音調査アンケート 調査リポート02―マイクロファイナンス
特集
急拡大するカンボジアのマイクロファイナンス市場。存在感を増す日系企業の参入と巨額投資、そのマネーが向かう先の実体は?(3/3)
特集
急拡大するカンボジアのマイクロファイナンス市場。存在感を増す日系企業の参入と巨額投資、そのマネーが向かう先の実体は?(2/3)
経済の最新ニュースランキング
最新ニュース