2月9日に行われた内務省の昇進式に出席したソー・ケーン内務大臣はカンボジア国民全体のマイクロファイナンスからの借入総額は約30億ドルに上ると述べた。なお、ソー・ケーン内務大臣はこの数字は、NGOのマイクロファイナンスからの借り入れ額や違法な団体からの借り入れ額を含んでいないものだとした。
カンボジアでは近年マイクロファイナンス業界が急成長を遂げているが、一部の情報によると、約85%の国民が1日に2ドルの収入しか無いのもかかわらず借金をするため、最終的には家や土地などの財産を失ってまで返済に当たる事が多くあるという。そしてこのような状況はマイクロファイナンス業界全体にとって良くはないという。社会アナリストのカェム・レイ氏もマイクロファイナンス業界の発展に警鐘を鳴らしている。「昨今カンボジアのマイクロファイナンスは非常に発展してきているが、一般の国民や私企業への貸し出しが主なものだ。人々は同時に複数の金融機関から借金をして、自転車操業していることがよくある。また、利率が高く設定されているため、一般国民にマイクロファイナンス業界の発展のメリットは行き渡っていない」
また、カェム・レイ氏は、今後一般国民が多重債務や破産の窮地に追い込まれないよう、カンボジア政府は一般国民が資金を積み立てて互いに貸し合えるようなグループを各地域で立ち上げる必要があるのではないかと述べている。
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