【マーケティング・メディア】
現代のカンボジアは、流行のもの、良いものは積極的に宣伝する傾向があり、バズマーケティング(口コミ)が有効となる。また、その背景について、「カンボジアには自国生産のものが少ないので、新しい商品やサービスが入ってきたときに判断軸がないです。だから、使ってみないとわからない。そのため信頼している人がこれは良いと言えば、広まりやすい」と、アナログからフリーペーパーまでローカル戦略を手掛けるメイツグローバルコミュニケーションズの柳内学氏は語る。また、トゥクトゥク広告も効果的な媒体である。さらに同氏は、「弊社は、トゥクトゥクドライバー個人に看板広告をお願いする際は手数料を頂戴していますが、管理という面を信頼して頂き現在では500台以上を任せて頂いております」と続けた。
バズマーケティングの重要性とも相まって、近年のイベントは非常に多様化してきている。他国からさまざまな手法が入り、凝ったイベントも増え、ただイベントをやればよいという時代ではなくなってきている。「伝統的でオーソドックスなものはもちろんですが、プロジェクションマッピングや海外コンテンツを取り入れたものなどご要望に合わせて幅広く提案させていただいています」とは、大手ビールメーカーのコンサートから企業ローンチパーティなどあらゆるイベントの一切を手掛ける キーラットイベントのアット・チャトラ氏。
この分野での進出を考えた場合のメリット、デメリットに関して、イベント、ウェブ、媒体、インフルエンサーなど幅広いプロモーションを手掛けるスタンディングオンザブリッジ代表の清野裕司氏は、「マーケティング、メディアでの進出という点では、参入障壁が低いため、進出しやすい分野だが、その分ローカル、外資問わずプレイヤーが多いのと、クオリティ担保のために、シビアなコスト管理が必要です。国内に限るとまだまだマーケットサイズが小さいので必然的に広告価格も周辺諸国に比べて安いです。そのため、ローカルのネットワークを持ち、しっかりマネジメントしていくことが重要です。その上で、タイ・ベトナム・シンガポールなどへの横展開も視野に入れると面白いと思います。」と述べた。グローバルスタンダードな品質を要求するローカル企業の増加と伴に、外資の大手の進出も増えてきている。