カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

2016年6月13日
カンボジア進出ガイド

【マーケティング・メディア】

129 カンボジアのマーケティング・メディア③(2016年5月発刊 ISSUE04より)

アナログマーケティングとバズマーケティング Analog Marketing and Buzz Marketing

128 カンボジアのマーケティング&メディア②から続き


 現代のカンボジアは、流行のもの、良いものは積極的に宣伝する傾向があり、バズマーケティング、口コミが有効となる。影響力のある人からの発信は大きな価値を生むため、インターネットに限定されるものではなく、「例えば、村で探したワーカーをコアメンバーとして好待遇で働いてもらって仲間を連れてきてもらう方法もあります。クラブも人気がありますから、DJなどに流行らせたいアイテムを無料で持たせて、周囲に欲しいという気分にさせることもできます」と、カンボジア人向けフリーペーパー「チュガポン(CHUGA-PON)」を発行するメイツの柳内学氏が語る。

 例えばフラッシュモブやゲリラ告知は、プノンペンの若者向けのサービスを中心にここ数年増えてきており、先進的な手法を主に使うブラウンコーヒーや、ピザカンパニーなどカンボジア人の若者に指示の高い店が先駆けとなっている。カンボジアのマーケティングにとって純粋な話題の総量を増加させることは非常に有効である。

 そして、カンボジアならではのアナログ媒体といえばトゥクトゥク広告だろう。トゥクトゥクドライバーとの直接交渉だと価格は安くすることが可能だが、どこを走っているか基本的に把握できないのがトゥクトゥク。いくつかの広告を付け替えているトゥクトゥクも存在するという。そういう意味で、代理店を使って管理を一任するという選択肢もある。

 「弊社は、トゥクトゥクドライバー個人に看板広告をお願いする際は手数料を頂戴していますが、管理という面を信頼して頂き、現在では500台以上を任せて頂いております」とは、メイツの柳内氏。さらに、その効果について、「トゥクトゥク広告というのは非常にシンプルで広告効果がすぐに見える広告だと思います。例えば弊社を通しトゥクトゥクを100台走らせたとしますと、月1500$ですが、新聞に1ヶ月広告をのせるのと同じ金額ですが断然効果は高いと思います」と語った。

イベント Events



 バズマーケティングの重要性とも相まって、近年のイベントは非常に多様化してきている。他国からさまざまな手法が入り、凝ったイベントも増えており、ただイベントをやればよいという時代ではなくなってきている。ブランディング、集客目的でイベントを企画した場合、どんな点に注意しながら準備をしてったらよいのかについて、数多くのイベントを手掛けてきた業界歴30年のキーラットイベントのアット・チャトラー氏は、「その企画にかけられる予算が無ければ先には進めません。私たちにはそのベースがあったほうが時間を無駄にせず、内容を絞り込めます」と語った。

 まず予算を確定した上でイベント内容を考える。その2つが揃うことが、まずは土台になる。その先は、「われわれはコンセプトを作っていき、全体のアイデアを作り出していきます」と同氏が続けるように、依頼するイベント会社の個性や特長によるところが大きくなってくる。

 準備期間としては、ビール会社のコンサートのような大きなイベントで6か月。通常3か月程度見ておく必要がある。

 また、近年増加傾向にあるネットワーキングイベントなどへのスポンサードもターゲットが明確で有効な広告手段ということで大手中心に利用が増えている。
130 カンボジアのマーケティング・メディア④へ続く


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