【マーケティング・メディア】
(050 カンボジアのマーケティング&メディア⑤からの続き)
カンボジア人を対象にしたクメール語のものや、英語、中国語、韓国語など各国外国人向けに発行しているものとがあり、それぞれのマーケットに告知するのに効果的である。スタンディングオンザブリッジの清野氏は、「雑誌に限ったことではないと思いますが、ひとつの媒体に広告を打っただけでは効果は薄いと思います。弊誌のレスポンスを見ると、誰でも知っている店がやはり反響がいいんです。なので、ターゲットを決めたらそのターゲットに常に目に触れるようにロゴやサービスを露出していくことが大事だと思います」。と語った。日本語では本誌をはじめ、生活情報誌のプノン、ニョニュム、クロマーマガジン、ディスカバーニューアジア、プノンペンプレスネオの6誌がある。在住日本人は2,000人ほどとマーケットとしては成長段階にあるので、日本人に特化したサービスでない限り他のマーケティング手法との併用が望ましい。
工場の開所式や、新商品の発売や記念パーティーなど、イベントもカンボジアでの事業で欠かすことはできない。カンボジアでのイベントについて、業界で30年以上の歴史を持つキーラットイベントのアット・チャトラー氏は、「基本的には他国と同様の手法を踏襲します。違っているのはカンボジアでは広報活動の考え方が浸透していないことだけです。例えば車を販売したい場合、どうすればお客様に興味を持ってもらえるように展示できるか、強く印象付けるにはどうすればいいかについて理解していません」と述べている。 当地でのイベントの準備については、「依頼するときにはまず予算を決め、規模にもよりますが準備期間として1か月、大きなものでは半年の時間をかけることもあります。ショールームのオープンでしたら1か月、本社が日本にある場合などは、手直しのプロセスに時間がかかることもあるので3か月あれば十分です」とアドバイスしている。
総体的に、どんなメディアを使うか、どんなイベントをやるか以前に、本当に自社のサービス、プロモーションがカンボジア人にヒットするものであるかというところが一番大事である。カンボジアに無いものだから、とか、日本で流行っているからという理由だけでサービスを始めてしまうと、宣伝費だけが嵩んで苦しい経営になるだろう。カンボジア人の行動様式も多様化してきているので、自社のターゲットが利用しているサービスを研究しながらローカライズしていくことが大事だ。