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18日、カンボジアはカタールと2022年に同国で開催予定のサッカーワールドカップの準備のために、3万3000人ものカンボジア人労働者を派遣することで合意した。クメールタイムズ紙の報道では、カタールからは10万人の要請があり、カンボジアの労働職業訓練省とカタールの労働・社会問題省との協議により3万3000人で着地した。
カタール労働・社会問題省のサレ・アルシャウル総務長官によると、同国は現在、大規模プロジェクトを複数抱えており、2022年までの工事完了のために可能な限り多くの労働者を集めているところで、この派遣に合わせてカンボジアの人材派遣企業も募集していると語っている。
また、アルシャウル大臣は、「カタールの新労働法には、雇用主、家主、銀行に対して労働者の自国への給与転送許可と過酷労働に対して厳格な処罰を規定している。このプロジェクトを契機にカタールがどのように発展したかを見て欲しい。そして、出稼ぎ労働者の権利をカタールがどの様に保護しているかを各国に知って欲しい」と語った。
カンボジアのイット・ソムヘーン労働職業訓練大臣は、「カタールには労働者の給与と安全の保障が約束されている。プロジェクトが円滑に進むのであればさらなる増員も検討する」と会議の席で述べたという。
イット・ソムヘーン大臣によると、これまでもカンボジアは頻繁に労働者の外国派遣を行っており、カタールも多くの国の労働者を受け入れているため、両国の利害は一致していると言う。
カタールは既に170万人の出稼ぎ労働者を受け入れており、ワールドカップの開会式を行うカリファ・スタジアムの建設のために3200人が働いている。
しかし、様々な国の報道機関がカタールの労働環境は過酷であると批判しており、出稼ぎ労働者達は契約額以下の給与支給や日払いの拒否、自国への逃亡を阻止するためにパスポートを取り上げているという。
米国のワシントンポスト紙は、1200人以上の労働者が過酷な労働のために既に死亡しており、全工事完了までに約4000人が死亡するだろうと昨年6月に報じた。この報道に対し、カタール側は全ての死者がワールドカップのためのプロジェクトで死亡したのではないと主張し、具体的な死者数の提示を拒んでいる。
英国のBBCは、カタールで働く出稼ぎ労働者へのインタビューで「ほぼ2ヶ月間、会社は給与を払ってくれず、私たちは会社に殺されるだろう」と返答が来たことを報じている。