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泰文隆グループ(Thai Boon Roong Group)はプノンペンに10億ドルもの費用をかけ商業用の超高層ツインタワーを建てる計画を提出し、現在政府が査定している。もしこのビルが完成すれば、世界屈指の高層ビルとなる。
泰文隆ツイントレードセンターは133階建で、ナガワールドカジノの手前、現在ドリームランドアミューズメントパークが位置する5ヘクタールもの土地に建てられる計画であり、自治体の土地管理部門はこの計画に対し初期承認を与えたと2月17日明らかにした。
国土整備・都市化・建設省のスポークスマンであるセン・ロート氏は、泰文隆グループの許可申請を今月上旬には承認し都庁に送ったが、最終評価を下す同省の上部には至っていないと話す。
「もしこの申請が国土整備・都市化・建設省に持ち込まれれば、安全性や交通網に与える影響などすべての面から精査されるでしょう。この計画は10億ドルかかると想定され、ツインタワーにはホテルやコンドミニアム、オフィススペースも含まれる予定です」と同氏は明かした。
泰文隆グループはプノンペンでインターコンチネンタルホテルを運営するグループである。トップにいるのはテン・ブンマ氏で薬物取引によって財産を築いたと噂されており、喧嘩で拳銃を取り出した過去がある。しかしブンマ氏は現在、所有していた株を息子に残し、公の場に姿を見せていない。
都庁のスポークスパーソンのロン・ディマンチェ氏によると、許可申請は現在専門家チームに精査されており、建設は中国の会社と協力しながら行われるという。
「泰文隆グループは『早ければ早いほどいい』と言っている。」と同氏は述べ、さらに当局は計画が都の経済を押し上げることを期待して完全にサポートしていたと加えた。「しかし、この計画に早々に着手する前に交通網や排水機能への影響を調べることが重要です」とも同氏は話す。
同氏によると、ここ10年間で628棟もの5階から40階建て「高層」ビルがプノンペンに建設された。泰文隆ツイントレードセンターがプノンペンで最も高いビルになることは間違いないが、これまで発表された計画の中では一番の高さではない。
2010年、フン・セン首相がダイアモンドアイランドに555メートルのダイアモンドタワーを建設する計画を発表した。しかしこのタワーの建設は次の年に始まるとされていたにもかかわらず、未だ始まっていない。
もう一つ有名な計画でいえば、韓国の企業ヨンウーカンボジアが計画したゴールドタワー42の建設も、同社が2008年に倒産したことにより破綻した。現在建設が再開され、モニボン通りとシアヌーク通りの交差点に位置するこの42階建てビルは2018年に完成するとされている。
不動産コンサルタント会社ナイトフランクのカントリーマネージャーであるロス・ウェブル氏は、このような多くの巨大計画の実現性は、都のインフラがこの建設ブームに追いついていないことにより不確かなままであると指摘する。
「プノンペン都市交通マスタープランを早く実行に移す必要があります。公共交通機関も道路が悪く、バスのシステムも小さい現状を変える必要があります」と同氏は話すとともに、「需要に関しては、通常稼働率が高まるのに少し時間がかかります。しかし市場にはたくさんの外国人投資家が流れ込んでいます」と加えた。
現時点で一番高い188メートルのヴァタナックキャピタルタワーは2014年に完成した。運営会社の賃貸借部門のシニアマネージャーが7月にガーディアン紙に話したところによると、稼働率は約30パーセントとのことである。
カンボジアの不動産会社ボナリアリティグループのチェアマン、スン・ボンナ氏はこれまで建設された高層ビルの稼働率は低いが、ツインタワープロジェクトがどのようになるか評価するのは早すぎると話す。
「この計画の完成には3年から4年の時間がかかります。だから今はそのときの需要と供給がどうなっているのかはわかりません。なぜならツインタワーの魅力は現代的なオフィススペースであり、それはカンボジアに新しく進出してくる企業向けの小さなビルと競争することになるからです」と同氏は指摘した。
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