カンボジア信用情報機関(CBC)が発表した2025年第2四半期報告によれば、小口金融市場は口座数と残高の両面で拡大した一方、新規申込件数や貸出品質は悪化傾向を示した。
小口金融口座数は前期比3.59%増の約219万口座、貸出残高は0.61%増の159.7億ドルとなり、全地域でプラス成長を記録した。
しかし、新規クレジット申込件数は全体で3%減少。個人ローン申込は2%減、クレジットカードは8%減、住宅ローンは20%減と大幅な落ち込みを見せた。
商品別では個人ローンが口座数の82.42%を占める一方、住宅ローンは9.46%と少ないが残高ベースでは50.19%と最大の比率を占め、個人ローン残高は48.24%、クレジットカードは1.56%にとどまった。
貸出品質は悪化し、90日超延滞(90+ DPD)比率は前期の5.06%から5.41%に上昇。延滞率が最も高いのはクレジットカードで8.74%。
借入行動の分析では、借入先が単一の金融機関に限られる借り手が70.99%、口座を1つだけ保有する者が60.83%であった。複数口座保有は2口座が27.02%、3口座が8.80%、4口座以上は3.36%であった。
CBCのオウル・ソティアロットCEOは「今期は小口融資需要が件数・金額ともに減少した一方、パフォーマンスは成長を続けたが、90日超延滞比率は上昇し品質はやや低下した」と述べ、市場が成長と信用リスクのバランスに直面している現状を指摘した。