カンボジア政府は、2025年7月のタイとの国境衝突における停戦合意への貢献を理由に、米国のドナルド・トランプ大統領をノーベル平和賞に正式に推薦する方針を明らかにした。
スン・チャントール副首相は、ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対し、「トランプ氏はカンボジアだけでなく他国においても重要な役割を果たしている。ノーベル賞に値する人物だ」と述べた。
停戦は、2025年7月28日にマレーシア・プトラジャヤで開催された特別ASEAN会合において、即時かつ無条件の合意として署名されたものであり、7月24日から激化していたカンボジアとタイ間の武力衝突に終止符を打った。会合はマレーシアのアンワル・イブラヒム首相(ASEAN議長)によって主導され、米国と中国の積極的な関与のもと開催された。
トランプ大統領は、両国首脳との直接対話を通じて冷静な対応と外交的解決を促し、水面下での働きかけにより事態のエスカレーションを防いだとされている。このことが「地域紛争への拡大を回避した」として国内外で高く評価されている。
カンボジア国内では、SNS上で「#ThanksTrump」「#PresidentOfPeace」「#TrumpForPeacePrize」といったハッシュタグが急速に拡散されており、トランプ氏を平和の象徴として称賛する動きが広がっている。米国旗とカンボジア国旗に囲まれたトランプ氏や、難民の子どもたちと共に写る画像やメッセージがSNS上で多く共有されている。
X(旧Twitter)上では、あるカンボジア人ユーザーが「トランプの介入がなければ、状況ははるかに悪化していた。彼は命を救った」と投稿している。
また、フン・セン元首相で現上院議長も、トランプ大統領の介入を「数万人の命を救い、緊迫した国境地帯を安定させた」と評価した。
トランプ氏のノーベル平和賞推薦はまだノルウェーのノーベル委員会に正式提出されていないが、今回のカンボジアによる表明は、これまで各国の政府関係者からなされてきた他の国際的平和活動への推薦に続くものである。
この停戦合意は、ASEAN諸国をはじめ、米国や中国の関係者からも歓迎されており、外交的進展が東南アジア地域の長期的な平和と協力につながることが期待されている。