ベトナムとカンボジアは6月20日、プノンペンで開催されたワークショップにおいて、経済・貿易関係の一層の強化を確認した。イベントは、カンボジア商業省と在カンボジア・ベトナム貿易事務所の共催により実施され、両国の政府関係者や企業・業界団体から60名以上が参加した。
カンボジア商業省高官は、「両国の歴史的な友好関係に基づき、持続可能な経済パートナーシップの実現を目指す姿勢が明確に示された」と述べ、農業、農産物加工、物流、サプライチェーンの分野における新たな協力機会の創出を強調した。また、「地域経済の連携強化により、農村部の生活水準向上にも寄与することを期待する」と語った。
ベトナム・カンボジアビジネス協会(VCBA)のレン・リティ会長は、「本ワークショップは、両国の経済協力の潜在力を引き出す上で重要な一歩である」と評価し、2025年1月から4月までの貿易額が30億ドルを超え、前年比7%増となったことを紹介した。両国のリーダーが掲げる「貿易額200億ドル」の目標達成に向けて、官民双方の連携強化が不可欠であると指摘した。
さらに、ベトナムはカンボジアにとって外国投資国として5位以内に位置し、200件超、総額約30億ドルに及ぶ投資プロジェクトを展開している。レン会長は、農業、観光、工業、技術分野におけるベトナム企業のさらなる進出に期待を寄せた。また、国境地域のインフラ整備、雇用創出、社会安定化への貢献も強調された。
両国は2025年4月に、2025~2026年の貿易促進協定を締結しており、今後は越境貿易、品質基準に適合する製品の共同開発、物流・輸送インフラの整備によるコスト削減と競争力強化が重要課題とされている。
当日のワークショップでは、両国の企業・団体が自社の事業内容や製品を紹介し、投資・協力機会を探る場が提供された。これにより、ベトナムとカンボジア間のビジネス連携のさらなる強化が期待される。