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  • 経済
  • 2025年1月14日
  • カンボジアニュース

カンボジア証券取引所、2025年に向けた拡大戦略を発表[経済]

カンボジア証券取引所(CSX)は2024年の市場動向を報告し、2025年に向けた目標を発表した。

2024年、TelcotechとRoyal Group Phnom Penh SEZ Plcの2社が債券銘柄として新規上場した。また、アクティブな取引口座数は前年比26%増加し、1万2745口座が新規開設され、総数は5万8394口座に達した。国内投資家の参加率も向上し、2024年の取引活動の93%を占めた。

主要な取引では、GTI、PAS、PWSAの株式が取引され、総取引量は121万3554株、総額は62.66億リエルに達した。

しかし、資金流動性の制約や国内消費の低迷、世界市場の不確定性により、平均日次取引額は前年比35%減の5.35億リエルに低下し、CSX指数も12.68%減少した。

2025年の目標として、CSXは平均日次取引額を30万ドルに引き上げ、1万5000口座の新規開設を目指す。また、少なくとも6社の新規上場を計画し、そのうち3社が株式証券、4社が債券証券を上場する予定である。

この目標は意欲的である一方、2024年の取引市場が大幅に減少したことを考慮すると、2025年に取引額を30万ドルに大幅増加させるという目標には現実性に疑問の声も聞こえる。CSXは目標達成の向けてトレーニングや認知向上プログラムを継続するとしているが、目新しい具体策の発表は今のところない。

着目すべきは、2024年において、カンボジアの平均日次取引額が大きく減少したのに対し、タイやベトナムなどASEANの諸国証券取引所では、不安定な世界経済の中においても、取引額が大きな減少を見せない場合も多かった点だ。具体的には、ベトナム証券取引所のVN指数は2024年に10.03%上昇し、平均日次取引額は約2億ドルを記録した。また、タイ証券取引所(SET)の平均日次取引額は約550億バーツ(約15億ドル)で、前年比で大きな変化はなかった。

このことから、CSXの取引額減少は、カンボジア国内の特有の経済要因や投資家心理の変化が影響している可能性があり、ASEAN全体の経済成長や投資動向と比較すると、CSXの状況はやや異なると言える。

取引の93%が国内投資家によるものである点は評価できるが、取引量の60%は外国人投資家が資金を拠出しており、市場の成長には外国人投資家のさらなる参加が重要だ。国別では、1位が台湾の投資家で39.5%のシェアを占め、次いで日本取引の21.31%を占め、中国が14.18%、タイが5.36%と続いた。直接投資では圧倒的な存在感を示す中国が、株式投資においては小さい点は興味深い。

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