カンボジア初となる原油生産を開始し、産油国としての最初の重要なステップを踏んだ。
シンガポール系新興企業のクリスエナジーは28日、タイ湾沖のアプサラ油田でカンボジア初となる原油生産を開始した。
この油田の鉱区Aを開発する同社のケルビン・タンCEOは、「このプロジェクトを開始するための協定に署名してから3年が経った。我々にとって重要な戦略的および運用上のマイルストーンだ」と述べた。
アプサラ油田の第1期開発では最大で日量3万バレルの生産を想定しており、歳入は生産開始後6年間で9000万~1億2000万ドル(1バレル当たり70~90ドルを想定)に達する見込みだ。
フン・セン首相は29日、「カンボジア初の原油生産の開始を非常に嬉しく思う。得られた収益は、教育と健康の分野に使用される」と述べており、国民皆保険などの財源に充てられることが期待される。
鉱工・エネルギー省によると、カンボジア南部のプレアシアヌーク州とカンポット州が接する地点に、カンボジアン・ペトロケミカル(CPC)と神州長城国際工程の合弁会社が精油所の建設を始めていたが、事業内の問題により工事が中断している。
同省は、中国系企業のハイナン・スターライト・ケミカル社が製油所建設に関心を示していることを明らかにしたが、現在では製油所が国内に無いことから、生産された原油は輸出される。
カンボジアではこれまで、石油と天然ガスの生産は行われておらず、石油製品は全量輸入していたが、同国は産油国として最初の重要なステップを踏んだ。