(c)Phnom Penh Post
欧州連合(EU)がカンボジアとミャンマーからのコメに関税を課すことを決定した。輸出業者やエコノミストらは、EUの決定を克服するための解決策は、運用コストの削減と市場の多様化であると述べている。プノンペンポスト紙が報じた。
欧州委員会(EC)は16日、ヨーロッパの生産者に経済的な損害をもたらしているとして、関税の再導入を決定した。この決定は3年間有効で、その間に関税率は段階的に引き下げられ、初年度は1トン当たり175ユーロ(199.5ドル)、2年目は150ユーロ(171ドル)、最終の3年目は125ユーロ(142.5ドル)が課される。
政策研究センターのチャン・ソポール所長は、「EUへのジャスミン米の輸出に深刻な影響は無いが、白米は影響を受けるだろう。コメ農家はジャスミン米や他の作物に転作するかもしれない」と述べ、ジャスミン米の輸出に深刻な影響を与えない理由として、「消費者がカンボジアのコメを好むなら、ヨーロッパのスーパーマーケットで値上げされても消費者は気にしない。本当の影響はカンボジアのコメに対する消費者の見解に依存する」と述べた。
昨年開催された国際的なコメの品評会で、カンボジア産のジャスミン米が優勝しており、通算して5度目の優勝となった。
また、カンボジアコメ協会のフン・ラック副会長は、「カンボジアは依然として欧州を主な市場と見なしているため、欧州への輸出を継続するために営業費用を削減する必要がある」と述べる一方、「中国は昨年、カンボジアに年間30万トンの輸入割当量を提供したので、今後は中国への輸出の拡大が期待できる」と述べた。
カンボジア政府のデータによると、昨年は62万6225トンのコメを輸出しており、そのうちEUへ輸出されたのは約43%の26万9127トン、中国へ輸出されたのは17万トンだ。中国への輸出が30万トンに拡大されれば、EUの関税による影響を抑制できる可能性がある。