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  • 経済
  • 2016年2月11日
  • カンボジアニュース

キャッサバ価格、低需要の影響受け急降下[経済]

 キャッサバの値段が海外、特に中国からの需要の低下により過去最低まで落ち込んでいる。

 バッタンバンのキャッサバ商人、タウン・サラ氏は、重要な市場のタイへの輸出価格がここ6年間の最低価格まで下落していると話す。

 「昨年は1キロ6バーツ(約20円)でしたが、現在は1キロ4.6バーツ(約15円)になっています。ここ最近価格は毎日下がっており、こんなのは見たことがありません」と同氏は話す。

 キャッサバ生産や取引が盛んなカンボジアの他の2州、バンテアイミエンチェイとラタナキリでも、ここ数週間同様の価格下落がみられる。

 カンボジアはキャッサバを加工する技術がなく、これまで農家はタイやベトナムへの輸出に焦点を当ててきた。キャッサバはタイ・ベトナムで加工され、中国に輸出される。国内45万のキャッサバ農家と関わるカンボジア地方開発局局長のローエン・ソバナリット氏は現状を語る。

 同氏は中国における需要の低迷とベトナム・タイとの競争がカンボジアのキャッサバへの需要を低下させていると指摘する。
「原油価格が低いため、中国が原油の代替品のエタノールを作るキャッサバの輸入を減らし、非常に多くの原油を輸入しています。さらにベトナムとタイの農家が現在自分たちの畑を作ろうとしているのです」

 もしキャッサバの値段が下がり続ければ、カンボジアの農家がキャッサバの生産を止めてしまう可能性がある。現在ある収穫物を捨ててしまわないためにも、政府はエタノールやキャッサバ粉を生産する工場を設立し、貯蓄を可能にして国内市場を活性化させることが必要だと同氏は話す。

 ラタナキリのキャッサバ農家、セブ・リー氏は輸出額がわずか数日で16パーセント落ち込んだことを背景にベトナムやタイへ生産物を輸出する仲買人が商人と生産者両方から利益を搾り取っていると話す。


 「私たちの生産するキャッサバを買う商人が、値段を下げないなら自分でベトナムに売りに行けばいいと言いました。」農家が運送までする余裕はないと同氏は付け加える。

 「もしこのまま価格が下がり続けたら、私はキャッサバの生産をやめてもっと市場価値があって利益が望める作物を探しますよ」
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本記事は翻訳・翻案権の許諾を得て掲載しております。

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