NECは2月3日、医療法人社団KNIの関連会社である株式会社キタハラ・メディカル・ストラテジーズ・インターナショナル(以下KMSI)から多言語対応クラウド型問診サービスを受注したことを発表した。このサービスは2016年カンボジアで開業予定の日系救急救命病院、サンライズジャパン病院で利用される。
サンライズジャパン病院は医療法人社団KNI理事長の北原茂実氏および日本政府が推進する日本医療の国際展開の一つとして位置付けられている。
また当院は日揮株式会社、株式会社産業革新機構、KMSIの3社が出資する現地法人サンライズヘルスケアサービスによりカンボジアの首都プノンペンに設立され、救命救急センターを中心に脳神経外科や健康診断などの日本式医療サービスが提供される。
今回NECが受注した多言語対応クラウド型問診サービスは、日本語、英語、に加えカンボジアの公用語クメール語にも対応し、患者や看護師がタブレットのナビゲーションに従って患者の自覚症状や生活歴、既往歴などを入力することで問診が完了するシステムだ。患者からの情報収集や日本人とカンボジア人の医療スタッフ間のコミュニケーションを円滑にすることが期待される。さらに同サービスは収集した問診情報を分析し、行うべき処置や検査の候補を表示して医師の所見記入力をサポートするなど適切な診断を支援する。
NECは社会ソリューション事業に注力する中、ヘルスケア領域を強化しており、今回のサービスもその一環である。
今回のサービス提供の背景にはカンボジアの医療インフラの遅れが挙げられる。現在年間20万人超の患者が周辺諸国へ流出するなど、カンボジアは高い経済成長を遂げる一方で医療インフラの課題は多い。
サンライズジャパン病院はカンボジアに高品質な日本の医療サービスを提供しカンボジアの医療サービスレベルの向上に寄与する。さらにカンボジア人の医療従事者への教育を通じ、高い水準の医療サービスを継続的に提供できる体制の確立を目指す。