カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

業界別インタビュー

発展するカンボジアで配車サービスを新しい形へ[運輸・物流]ソティアウィー・ヘン(2/2)

運輸・物流

グラブカンボジア
アクティングカントリーヘッド: ソティアウィー・ヘン Sotheavy Heng
配車サービス会社大手であるグラブ。2018年3月に競合他社であるウーバーからカンボジアを含む東南アジア事業を取得したばかりだ。遅れた参入にも関わらず業界でリードを続けるグラブの、“人”に焦点を置いた新しい形の配車サービスについて、グラブカンボジアの代表であるソティアウィー・ヘン氏から話を伺った。
テクノロジーのリテラシーが低い人にどのように浸透させるか

――グラブアプリを運営している中で、課題はなんですか

ソティアウィー・ヘン(以下、ヘン) カンボジアでは、テクノロジーを使いこなす人もいますが、一方で、現在もテクノロジーのリテラシーが低い人もいます。彼らに私たちのアプリの使い方を教える必要があります。これが課題です。ですので、私たちが彼らを教育し、伝統的なものからテクノロジーに移行するために何が重要かを教える時間が必要です。現在の挑戦は、私たちのアプリを使用するために、古いスタイルのようなものから現代的なスタイルに移行させることです。

 だから私たちは日々教育するために時間を取る必要があります。これは今、技術面での私たちの挑戦です。私たちのアプリをどのように使うのかという点では、私たちのビジネスが大きく成長することがわかります。特にオフィスワーカー、ホワイトカラー、そして学生たちは、私たちのアプリを使ってくれています。彼らは、私たちのアプリが他のアプリよりも優れていることや、アプリが信頼でき、安全性が高いことをわかっています。しかし、テクノロジーのリテラシーが低い人にはあまり浸透できておらず、その教育には時間がかかると思います。


――グラブのトゥクトゥクドライバーにどのくらい規制をしているか。

ヘン 規制はせず、オープンです。私たちは、ドライバーが他社のサービスを利用しているかどうかは気にしないです。非常にオープンにやっています。グラブの大きな目的は、彼らの収入を増やすことへの貢献です。そのため、競争相手のサービスを使っていても問題ないです。グラブは、誰にとってもオープンです。

 ドライバーは、私たちのサービスに参加する前は、乗客を探し回る必要がありました。ですが、今は違います。グラブのアプリによって、ドライバーと乗客をすぐにつなぐことができます。グラブとしては、ドライバーが他社のサービスを使っているかどうかはあまり気にしていません。

パートナーであるドライバーの生活水準を上げる

――ドライバーは、自由に広告を出せますか。

ヘン 自由です。なぜなら彼らは、自分のトゥクトゥクを持っています。我々のものではありません。なので、彼らには、誰かのブランドを載せられる権利があります。我々は制限していませんし、その権利はありません。

――ウーバーについて。撤退はどのような影響があったか

ヘン UberとGrabのビジネスについてはあまりよく分かりません。それに関しては、私の役職の範囲を超えてしまっています。Uberとグラブの関係についてより知りたいなら、グラブ本部の担当者につなぎます。すべての質問に答えることができると思います。

――マイクロソフトやソフトバンクなどの日本の大企業がグラブに投資していますよね。どのような影響がありますか。
知っての通り、投資に関しては、トップマネジメントの決断です。ですので、答えることはできません。

――今後の展望を教えてください。

カンボジアの人々は、皆、自分自身の生活を心配しています。生活を改善し、福祉を改善したいと思っています。ただ、私は、自分自身のためだけではなく、カンボジアという国全体でその問題を考えていきたいです。私の人生の目的は、家族が安心した環境で生活でき、私自身が社会に貢献することです。どのように私はカンボジアに貢献できるのか。私はグラブのメンバーとして、社会に貢献することができると思います。

 例えば、グラブは交通に関するあらゆる安全を改善するという観点で多くのものを持っています。グラブにより、交通渋滞を改善する可能性もあります。また、交通安全を図るため、現在、カンボジア政府とも協力関係にあります。

 パートナーであるドライバーの生活水準を向上させること、より多くの収入を稼げるように、少しでも貢献していきたいです。また、私は貢献ができると確信しています。ドライバーがより多くの収入を稼具ことができれば、彼らの家族にとっても、また、社会にとっても非常に良いものになるでしょう。ITリテラシーが低い人にもグラブのアプリを浸透させていきたいです。


グラブカンボジア
事業内容:
URL: https://www.grab.com/

その他の「運輸・物流」の業界インタビュー