2017年6月23日
―まずは現在のミャンマー事業の概要をお聞かせ下さい。
ローカル企業や進出日系企業からの受注も少し見えるようになってきました。教育・トレーニングを兼ねた本社からの自社パッケージ製品の開発では、日本人技術者が出張対応でミャンマー人エンジニアへのOJTを行っています。また、将来への投資として、ミャンマーで需要が見込まれるクラウドを利用したパッケージ製品の開発にも力を入れています。現在は、販売管理・在庫管理システムの来年度リリースに向け、10名体制でプロジェクトを進めています。
―お客様のニーズはどのようにして収集しているのでしょうか。
お客様のもとに出向き、直接対面にてニーズを伺っています。進出したのは2014年の12月ですが、営業を本格的に開始したのは約半年後でしたから、約1年半の間に地元企業だけでも100社以上、日系を含めると約150社のお客様にアプローチをしています。システムを活用したい、導入したいというニーズは肌で感じています。
―ミャンマーの今のITに対する状況と課題は。
経営者や現地責任者の方のお話しを伺うと、どこまでIT投資すべきか、また、どのようにITを活用していくべきか、具体的な施策に悩まれている方が多くいらっしゃるように感じます。
IT専任の知識のある人材を据える企業も今はまだ少ないですし、私たちIT企業にも人材の育成という課題があると認識しています。この課題に対しては、日本本社と共に現地のIT人材育成を急ピッチで進めています。
―真のITコンサルティングを提供するということですね。
私たちは顧客の近くで業務を共に推進していく役割でありたいと考えています。システム構築後、そのシステムが業務として定着するまでのフォローアップが大切です。例えば、導入段階で弊社のエンジニアがお客様オフィスに常駐させて頂き、隣でサポートすることもあります。そうすることで、導入後に発生する新たな要件等をスムーズに次期開発に繋げ、さらなる業務品質向上のための仕組みをご提案することができます。
単にシステム開発屋さんに止まるのではなく、ITコンサルティングをミャンマーのマーケットに根付いた形で提供していきたいですし、そのようなIT人材を育てていきたいと考えています。その為にはスタッフには幅広に様々な事に挑戦して欲しいと日々伝えています。
CSRにも力を入れていらっしゃいますね。
ジャパンハートが運営する養護施設Dream Trainに図書館・パソコンルームを建設し、寄付させて頂きました。また、教育プログラムも無償で実施しています。その第一弾として、パワーポイントを使ったパソコン教室を昨年9月〜12月で計5回開催しました。40名の子ども達にパワーポイントを使った自己紹介シートを作成してもらいましたが、習熟の早さには本当に驚きますね。新しいことを学ぶ機会さえあれば、未来が変わるという事を子供達から教えてもらった気がしています。次は完成したPCルームにて就職に役立つパソコン教室、更には子どもたちをオフィスに招いての職場体験なども企画しています。
− 中長期なビジョンをお聞かせください。
めざすは“ベストパートナー”と呼んでいただくことです。そのためにも、現地スタッフが中心となり、しっかりとしたサービスをご提供できる会社をつくることになります。メンバーひとりひとりが自分達の会社だと考えてもらい、HIMSとしての企業風土をつくって、国籍に関係なく活躍できる、やりがいを感じる、全員で責任のある経営をしているような組織をつくっていきたいですね。
そしてゆくゆくは、ミャンマー発の製品をミャンマー国内のみならず、東南アジア各国や日本にも送り出したいです。将来を見据えた新技術にもどんどんと挑戦していきたいです。