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業界別インタビュー

2017年6月29日

厳しいけれど、あたたかい塾に

教育・学習

駿台ミャンマー校
校舎長: 澤口 和実 Sawaguchi Kazumi
厳しいけれど、あたたかい塾に
2015年9月に開校した駿台ミャンマー校は、帰国後の日本での進学を支援する学習塾だ。「ヤンゴンの子女教育の環境は、他の海外校とも大きく異なる」と、ミャンマー校をゼロから立ち上げた校舎長の澤口氏。保護者とコミュニケーションを取り、自ら生徒の指導にもあたる同氏からヤンゴンの教育環境について話を聞いた。(取材日/2017年1月)
目標達成のためには結果にこだわる

—駿台が対象としている生徒は。

 ミャンマー校は2015年9月に駿台海外校12番目の校舎として開校しました。帯同されミャンマーで生活する子女教育に関するサービスを提供しています。2015年6月にミャンマー入りし、ゼロから3ヶ月かけて、ミャンマー校を立ち上げました。

 対象は、帰国後に日本での進学を考える子どもたちです。高校受験を控えた高校受験コース、中学受験を控えた中学受験コース、そして小中、インター生の個別指導です。長期休暇時には季節講習もおこない、国は違えども日本と変わらぬ教育サービスを心がけています。 生徒一人ひとりとコミュニケーションを取り、掲げた目標を達成するためには、結果にこだわります。厳しいと言われることもありますが、逆に、保護者の方から「もっと厳しくしてください」と言われることも少なくありません。2

他の海外校とは環境が異なるミャンマー校の運営

—他国と比べたミャンマーの子女教育の環境は。

 ミャンマー・ヤンゴンの子女教育の環境は極めて特殊な状況にあります。私は、上海・香港でも海外校を経験しましたが、ヤンゴンの環境は大きく異なります。対象生徒の母数が少ない点、競合他社が存在しない点です。駿台海外校は昨春ドイツのデュッセルドルフが開校し、全13校となりました。その中で我々が特に強みを発揮しているのは、高校受験を控えた層です。一方で、ミャンマー校には2017年1月現在で40名以上の生徒が通っていますが、最も多いのは小学生です。高校受験を控えた生徒が少ない状況です。これは他の海外校とは少し異なります。

 競合他社がいないのも大きな特徴です。競合他社が存在しないことは、逆に大きなプレッシャーとなります。生徒たち、保護者の方たちに信頼いただけるよう、ご期待に応えられるようがんばっていきます。最近ではヤンゴン赴任に先立ちウェブから、お問い合わせいただくケースも増えてきています。

生徒の意識が高まってきている

—生徒の変化は感じますか。

最近、顕著なのは生徒の意識の高まりです。土曜日は時間帯によっては30名以上の生徒が通塾することがあります。サッカーや野球といった課外活動の前後の空いた時間帯を利用して、自習に来て、学習に取り組んでいます。進んで学習に取り組んでいる生徒たちは、以前よりも格段に増えました。授業と自習を含めて、週5日通ってくる生徒もいます。また、最近では自分の点数や順位に興味を持つ生徒が増えてきました。勉強の結果に対する意識が高まっているのを感じます。高い目標を設定してチャレンジする姿が見られるようになっているのは非常に嬉しい変化です。

生徒が努力していけるための環境整備

— ヤンゴンでの子女教育、課題はどこですか。

 ヤンゴンにいる日本人の生徒数はまだまだ少ない。そのため、日本人学校でも、駿台内でも、自分のレベルを勝手に判断し、決めつけてしまう傾向があります。「もっと自信を持ってほしい」と感じます。勉強は取り組んだ分、しっかりとそして確実に力がついていきます。その経験を通じて、自信を高めて欲しいと思っています。多くの生徒は、いつかは日本に帰国します。日本に戻り受験するのであれば、日本で学習している生徒たち勝る力を身につけなければなりません。

—御校の次の一手は。

 駿台ミャンマー校では、多くの生徒が日々真剣に授業や自習に取り組んでいます。しかし、まだ他校舎に比べ、学習環境が整っていないと感じています。「ミャンマーだから仕方ない」とならないよう、学習環境の整備は急務と考えています。第一志望校への合格という生徒の掲げた目標達成を全力で支援していきます。「思い」を持って、厳しくもあたたかい指導を行ない続けていきます。


駿台ミャンマー校
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