2017年6月22日
−講師派遣サービスが主力事業とのことですが具体的な事業内容を教えてください−
これまでは外国人がミャンマー語や英語を習いたいと考えた時に、フリーランスで教えている個人講師を自力で探すか、集団型の塾に通うという方法しかありませんでした。しかし、ミャンマーに住んでいる外国人はビジネスで来ている方々が大半です。ビジネスで来ている以上、時間が固定されている塾に通う事は難しく、またフリーランスを自分で見つける時間も余裕もありません。そのようなビジネスマンの方々をメインターゲットに、時間と場所を選べるミャンマー語と英語の講師派遣サービスを展開しております。
−受講者にとっては時間の融通が利くことはとても喜ばれることだと思いますが、それ以外にも貴社独自の特徴はありますか?
一つは良質な講師のデータベースを持っていることです。数多くいるフリーの講師や大学生の中でも優秀な方々に登録してもらい、様々な登録データを管理しています。多くの方々にご登録頂いていることにより、本当に優秀な講師のご紹介が可能となり、また受講生の要望にもきめ細かく対応する事でお客様にも選んで頂けているのだと思います。
また、ミャンマー人の文化、習慣等を家庭教師を通して理解する仕組みがあるのも特徴です。そもそも当社では「言語」というのはコミュニケーションをする上でのツールでしかないと考えています。本当に大切なのは相手の気持ちや考え方も含めた相互理解です。
独自の文化を培った歴史的背景や、考え方を持つこのミャンマーにおいて、ビジネスを成功させるためには現地の方々の考えや気持ちも学ばなければならない。この点を非常に大事にしており、講師達へも日々教育しています。そこを踏まえた講師達と独自の教材を用いて、対面で密度の濃い授業ができるというのは当サービスの特徴だと考えています。
−単なる講師派遣という枠にとらわれない、という想いを強く感じるのですが、この事業を始めたきっかけを教えてください
根底にあるのは海外へ進出する企業を支援したいという想いです。2014年4月にミャンマーで事業を開始した当初はシェアハウス事業を行っておりました。当時から、ターゲットは主に観光客ではなく、出張者や進出後間もない方々として、低価格な住居を提供しておりました。そこでは単なる住環境を提供する事に留まらず、当地の情報の流通、人脈形成を後押ししたいという想いで運営しておりました。様々な方々を「繋ぐ」支援をし、お客様の事業推進のきっかけになりたかったのです。
入居される方々の話を聞く中で、私自身もビジネスのヒントを頂きました。語学学習を始めたいがどんなサービスがあって、どこに頼めば良いかが分からないといった相談を多く受けたのです。そこからマーケティングを行った結果、語学学習環境が整備されていないという現状と、今後のマーケットの伸びにチャンスを感じ、講師派遣という形態での事業をスタートさせました。
−最近はミャンマー語検定も開始されたとのことですが?
お陰様で講師派遣サービスの受講者数も伸びてきた中で、ユーザーの方々にさらに満足頂ける価値を提供したいと考えていました。また独自にミャンマー語を勉強されている方々の中にも自分の学習レベルがどの程度なのかを測る手段や機会が必要と考え、ミャンマーを中心に東南アジア諸国の翻訳サービスを展開しているココライズ・ジャパン様と共同運営でミャンマー語検定を開始致しました。
分かりやすい目標が出来るとさらに学習意欲が湧いてくるといった声もあり、好評を博しております。過去5回の開催を重ねており、受験者数は増えています。今後は民間企業、国際機関、NGO等の組織単位でミャンマー語の習得レベルを測るための指標として活用頂いたり、個人の方々の学習目標として活用頂く検定に育てていきたいと思います。来年には日本でも開催し、将来的には韓国や中国等の外国でも実施していく計画です。
−最後に今後の展開や事業への想いをお聞かせください。
米国からの経済制裁が解かれ、欧米から進出される方々も急激に増えてくるかと思います。現状の受講者は日本人が大半なので、日本以外の外国人受講者数も力を入れて伸ばしていきたいと考えています。日本人以外からも想起してもらえるよう広報、営業活動に力を入れていきたいです。
また、この地でビジネスをするにあたり私自身が非常に大切しているのは、何かしらの成果をミャンマーにも還元したい、という想いです。
例えば、今私が積極的に取り組んでいるのは学生講師の積極的な登録です。
日本や諸外国では学生がアルバイトやインターンという形で社会と関わるのは一般的ですが、この国では学生が就業経験を積むという機会は多くはありません。そのような中で、早くから就業を経験出来る機会を提供し、講師達にとってもプラスになるような存在でありたいと思っています。また、外国人との関わりが持てるというのも非常に価値のある事と考えています。これはあくまで一例ですが、あらゆる形で当地への価値還元をしていきたいと思います。