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TOP INTERVIEW
トップが語る、カンボジアビジネス(2018/5月発刊8号より)
カンボジアが好きだ、と思う情熱こそが何よりも大切(1/2)
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バックパッカーとして訪れたカンボジアの地に可能性を感じ、本格的に仕事をしようと移住することを決意した27歳の青年は、今やDFDLのトップとして東南アジアの国々を法律面から支える仕事をしている。カンボジアで14年間走り続けてきた彼が振り返って語る、カンボジアで働く良さ、ビジネスの成功の秘訣とは。

バックパッカーから転身、本格的な仕事開始へ

旅行地として訪れたカンボジアで働き始めようと思ったきっかけとは

 カンボジアに来る以前は、フランスで博士課程の勉強をしながら講師としての活動を経て、公法を中心としたコンサルタントとして働いていました。カンボジアを初めて訪れたのは2004年、当時27歳でした。東南アジアで仕事をしようと漠然と考えていたのですが、友人が居たので最初にカンボジアへ訪れることにしました。旅行のつもりでしたが、すぐにカンボジアが気に入ったのでここで仕事をしようと決めました。

 自国に帰国して政府の仕事に応募しました。政府からの派遣によりカンボジアで本格的に働けるからです。私もそうですが、最初来たころはいわば冒険のようなスタンスでカンボジアを訪れる人が多かったです。当時の同僚の多くもバックパッカーでスタートし、流れで住み着いて経験を積んでいた人が多かったように感じます。

 最初の仕事は、フランス政府の協力案件のプロジェクトオフィサーとして法律や公共政策の草案づくりをしていました。私が居たのは主に法務関連のプロジェクト部門でしたが、裁判官や弁護士等を始めとする法律家養成所の立ち上げなども行っていました。その当時は、フランスや日本と国連が法務関連の様々な技術提供や専門家派遣をしていました。法務省との協力案件なども手がけ2年半後に民間へ動くことにしました。このような政府関連のプロジェクトに関わる人は任期が終わると帰国する人が多いのですが、私は残ることにしました。なぜなら、2年半居ると色々とカンボジアのことも理解できるようになり、民間で内部から何かできることは無いだろうかと思ったからです。その後、コンサルタントとして活動を経て、DFDLに合流しました。

カンボジアは多様で大きなチャンスが溢れた発展途上国

マッセン氏が見つけた途上国だからこそできる仕事とは

 私が来た当時、カンボジアはまだ発展しておらず、周辺国との接続性も悪かったですが、多くの人を魅了していました。その理由は今も当時もカンボジアで行う仕事は自国に居たら体験できないものばかりだからです。フランスやアメリカに居たら権限が末端に来ることもありませんし、国として成熟しているのでチャンスがありません。しかし、カンボジアは新しいフロンティアマーケットだからこそ手がけることができる仕事が多くあります。
 私の場合、フランスで働いていたら絶対に関わることのできないコンサルタントとしての様々な仕事や、壮大なプロジェクトを手がけました。一国の法務システムの基盤作りなどができたのです。先進国は既に基盤ができているので、そのようなプロジェクトは発展途上国だからこそできるものであり、政府に助言をするという立場になれることそのものがエキサイティングでした。個人的にも仕事の面でも発展途上国の機会を広げる作業が刺激的でした。
 DFDLは1994年にラオス、1995年にカンボジアで設立されました。当時は数少ない外国人による顧問会社でした。フランス政府が手がけていた法務案件もDFDLと協力して進めていたものがあったので、仕事内容は変わりませんでした。なぜならDFDLは各国の公的機関の仕事も多数受注し、法律の草案や政策の立案などの手助けを行っていたからです(今も多少行っています)。主に民間、金融セクターが多いですが、こうした公的機関などに対して技術協力という形で携わっています。
 現在は100名近くスタッフがいるDFDLも、私が2007年に合流したときは35人ほどでした。分岐点は2009年に訪れました。カンボジアに東南アジアの中枢機能を持たせ、情報を集めてその他各国の対応を行うことにしたのです。カンボジアが位置的に中心であることに加え、周辺国の中でも法令的にみて機能的に動きやすいことが主な理由でした。
 入社当時、ミャンマー支社が立ち上がったばかりでしたが、現在は東南アジア9カ国に12の拠点があります。入社後の発展を全て見てきましたが、常にスタートアップ精神を持ってフロンティアマーケットを開拓してきました。私どもは発展途上でアクセスも容易ではない小さな国を中心に進出してきましたが、いずれの国もその後急速に発展しています。

成功事例が更なる成功を呼び込む

最近のカンボジアのビジネスにおける傾向とは

 ビジネス面で言えば、自分が関わるプロジェクトにきちんと向き合うという意味で情熱がある投資家が増えたように思います。2010年以前は長期的な目線ではない短期的な投資やプロジェクトを進める人が多かったですが、ここ数年は中長期的な戦略をもって取り組む人が増えました。パイオニアは色んなセクターに居ましたが、成功事例が無かったですね。昔は成功事例を見せることもできなかったので投資家を説得するのが大変でしたが、そのような中長期プロジェクトと成功事例も増えました。最近では関心のある投資家に大型のモールなどを成功事例として提示しています。それは次に繋がるので本当によい変化です。我々がいくら実現できますよと言った所で見せるものがなければ説得力はありませんから。
 また個人的には、こうした事例に伴い引き起こされる国の発展も成功事例の増加に貢献しているように思います。接続性の改良、銀行の増加、停電の劇的減少、そして道路状況の改善は大きな変化の代表例と言えるでしょう。

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DFDL
Managing Director
ギヨーム・マッセン
Guillaume Massin
フランス出身。カンボジアを旅行で訪れた27歳の時に、移住し働くことを決意。フランス政府からカンボジアに派遣され国家規模の法務関連プロジェクトに携わる。その後DFDLと合流し、東南アジア各国で幅広く法律関係の協力案件や技術協力を行う。

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