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業界別インタビュー

2016年12月28日

いい街を作っていくため、継続的なメンテナンスを最も大切にする[建設・内装] 永田哲司 (後編)

建築・内装

ソナトラグループ Sonatra Group
CEO: 永田哲司 Nagata Tetsuji
証券会社とブルームバーグを経て、カンボジア人パートナーと共に2012年にソナトラグループを立ち上げた永田哲司氏。マイクロファイナンス事業を中核にしているが、2017年4月からは不動産セクターへも参入する。ゲートタウン構想の具現化に邁進する永田氏に、カンボジアにおける住宅事情や都市構造などについて語っていただいた。(取材日/2016年9月)
カンボジア人の憧れ ボレイ

前回の続き
―――フラットなど売っているのを見ますが、売った人たちはその後はどこに住むのだろうと思ったら、ボレイに住むんですね

永田 ボレイっていうのは、皆さんの憧れですよね。ボレイに住むと、中に公園があって、プールがあって、子供がいる方は子供を安全に遊ばせられる。そういう想像が皆さんできる。うちの社員も何人かが親とボレイに移り住んでいます。このフロアだけで、5,6人位、ペンフーのボレイに住んでいます。親がある程度お金持っているか、親が家を売って、ボレイの中で子供と親で一緒に住んでいるんですね。

住宅地としての価値を上げる

―――プノンペン郊外のボレイを買った後、将来、住み替えようと転売するとき、そのボレイの価値は上がっているのでしょうか

永田 将来、プノンペンの街がどんどん広がっていった時に、今は郊外でも、その時は周辺が町になって郊外とは呼ばなくなるエリアになっている、その時は今よりも価値は上がっていると思います。私たちの50ヘクタールのプランの中に、郊外型の商業施設の誘致も考えています。商業施設の誘致できて、かつ住宅ができれば、必然的に周囲の地価は上がってくるのではないでしょうか。

 それから、一番大事なのは、ボレイ自体の価値を上げること、街をどう作ってどう発展させるのかです。ちゃんとメンテナンスして、富裕層の方々も住みだす街を開発しなければなりません。日本だと、例えば田園調布、多摩あたりはもともと田舎でしたが、高度成長に伴って優良な人たちが東京に集まり、その人たち向けの住宅供給を始めた結果、価値が上がりました。丸の内のような本当の都心部ではなく、ちょっとした住宅地としての価値をいかにキープするのかが大切ですね。

売ったら終わりではダメ

―――ボレイの中で家を買った人が近所迷惑なことをしだすことはないですか。この間ミーンチェイ区の古いボレイを見たのですが、家に駐車場があるのに使わず、路上駐車をしていました。ただでさえ狭い道が、さらに狭くなって通るのが大変でした

永田 みんな路上駐車していますよね。そのボレイは有名ですよね。結局収益のことしか考えてなくて、ランドスケープ、つまり街のデザイン自体を考えてないです。最低でも道幅8メートルあれば、両側に車を停めても大丈夫ですが、あそこは道幅が8メートルしかないですよね。路駐だらけで、皆さん通れなくなって、そういうことするから街の価値が下がります。こっちの人は皆さん止めるのわかっているので、それを想定して町のデザイン作らないといけないです。その点を考えると、ランドスケープのデザインはペイフーがダントツで上手いですね。

 また、浄化槽は街の中にあると臭くなるので、わざと離れたところに作っています。私たちは家ごとに浄化槽を作り、各家から流れて来た排水を街の外で集中浄化して最終的には下水に流します。

 私たちは最初、リンクハウス、ツインヴィラやっていきますが、将来的に、例えば若い世代が最初に住んでくれて、彼らが30代、40代になって同じタウン内で住み替えたいとなると、同じタウン内で彼らの思考に合うような、住宅を作ります。私たち50ヘクタールの土地を所有しているので、隣にはまた違う街を作り、中間層以上の人向けの住宅を作ることもできます。その中古はまた新しい人が買ってくれます。このプロジェクトは、売ったら終わりでなくて、うまくメンテナンスしながら、新しい人をこのタウンに呼び込んでいきたいと思っています。(取材日/2016年9月)


ソナトラグループ Sonatra Group
事業内容:
URL: http://www.sonatra.com.kh/

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